ヘッドハンターが語る、転職に成功する人、失敗する人:転職を考える前にやるべきこと(2/3 ページ)
会社で働いていて「転職したいなあ」と考えたことがある人も多いのでは。実際に行動に移す前に、なにをしなければいけないのか。ヘッドハンターとして活躍している高本尊通さんによると……。
「ないものねだり」ではなく「自分で作る」
次に、以前ご相談に乗った、数十人規模のベンチャー企業で働く営業マン・Bさん(20代後半)のケースをご紹介します。
営業成績は社内で常にトップ。新卒入社で6〜7年経つと一通りの業務もこなせるようになり、組織や業務の全体像が見えてきました。30歳を前にキャリアを振り返ったとき、同僚より営業成績が良くても想定より年収が上がらず、マネジメントのポジションに就きたくても企業規模からして自分に合ったポストがないことに物足りなさを感じていました。明確な人事評価制度もない中、上昇志向が高い自分に合う職場が他にあるのではないかと考え、と転職先を探し始めました。
Bさんのようなケースは多いのですが、転職を考える前に、やらなければいけないことがいくつかあります。まずは現在の職場でその課題に対してベストを尽くしたかどうか自分に問いかけること。次に、転職という選択肢が頭をよぎる隙がないほど仕事に集中して、実績を作ること。そうすると、社内外に評判が広がり、転職活動をしていなくても、ヘッドハンターから声が掛かることがあります。
このようにハンティングの対象になれば、より自分が成長できる企業に移籍できるチャンスは広がり、キャリアアップにつながるかもしれません。市場価値を高めて転職を有利に進めるには、前向きな姿勢で現在の仕事や組織に向き合い、行動することが必須要件なのです。
いまの仕事に不満を感じていて、「転職をすればなんとかなるだろう」「自分の実力はこんなものじゃない」と思っているビジネスパーソンは少なくありません。ただ、いまの環境に不満を言ってはいけません。上のステージで働いているビジネスパーソンは、自分の業務の垣根を越えて組織にない仕組みや制度を考えたり、経営陣に提案したりしています。
例えば、あなたが「営業」の仕事をしているとしましょう。営業成績が良ければ、そのリターンを得ることができる仕組みづくりを考えてみるのはいかがでしょうか。一定基準を満たせば若手でもマネジメント職に就ける仕組みづくりを考えてみるのはいかがでしょうか。このように、自ら実現していく機会を逃して、いまの環境に不満ばかり語るのは、非常にもったいないことだと思います。
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