信頼されたければ“情報提供上手”になれ:常見陽平のサラリーマン研究所(3/3 ページ)
私たちは「情報過多」の時代を生きている。その情報を上手く生かすことができているだろうか。入手した情報はビジネスに生かさなくては意味がない。会社を上手く利用して好きなことをするためにも、社内外から認められ、好かれるためにも「情報提供」が重要なのだ。
SNSでの情報発信も「質」が重要
そうそう、これも触れておこう。この手の情報提供と言えば、SNS上の情報発信のことを想起する人も多いことだろう。いわゆる意識高い系は人の役に立とうと、いや、目立とう、セルフブランディングをしようとSNS上でさまざまニュースなどを紹介する。ただ、これはアナタのブランドを逆に下げていないだろうか?
有識者でもない人が「こんなお役立ちニュース見つけちゃったぞ」的な投稿をしているのを見て、「残念だなあ」と感じたことがあるのでは。なぜそのように感じるかというと、自己PRをしているようで、逆に「分かっていない」ことをアピールしてしまっているからだ。例えば、明らかにソースが怪しいニュースなどを紹介しているケースなどである。目立つために、極論で解釈しているケース、ディスりを目的化しているケースも痛い。SNSでの発信も社内や顧客・取引先への情報提供と同様、丁寧にいきたいところだ。
まとめると、情報収集も結構だが、情報提供することによって人に役立ち、自分も果実を得るということだ。さあ、あなたは今日、誰にどんな情報提供をするだろうか? まずは、この記事をSNSに投稿しようぜ。
常見陽平のプロフィール:
1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。
リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。
関連記事
- なぜ社長は自分を棚に上げて「スゴい人になれ!」と叫ぶのか
4月は何かと社長のスピーチが話題となる季節。このスピーチが味わい深いのは、自分のことを棚にあげて「スゴイ人になれ!」と叫んでいることである。 - 良い働き方には“上手なサボり方”も必要だ
何でもかんでも効率的にと言われても、疲れてしまうのである。人を短時間競争に追い込むだけが働き方改革ではない。“サボり”にこそ、今後の柔軟な働き方のヒントが隠されているのだ。 - 「今年の新人は◯◯型」シーズンに思うこと
世間で話題になる「今年の新人は◯◯型」なるものをうのみにしてはいけない。世間が騒ぐ新人像ではなく、自社の新人を分析すること。これこそが、今すぐ使える処世術なのだ。 - 名言や社訓に洗脳される若き老害たち
「若き老害」――。自分自身も若いのに、後輩や部下をマウンティングする社員を指す。特に顕著なのは「名言」や「武勇伝」などを押しつけるマウンティングである。その実例や背景について考えてみる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.