佐川急便が宅配便の大口顧客向けの運賃を引き上げるとの一部報道に対し、同社は5月2日、「運賃の適正化に向けて検討を進めていることは事実」などとコメントした。
同日付の日本経済新聞によると、佐川急便は人手不足による人件費高騰を理由に、割引料金を適用している大口顧客に対してコストに見合った運賃への改定を求めているという。荷物1個当たりの平均単価は、2017年度は前年度から7円高い(1%増)518円程度への引き上げを目指すとしている。
佐川急便はITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、「当社の宅配事業は、大口顧客向け・一般消費者向けという分け方はしていないが、運賃の適正化に向けて検討を進めていることは事実」とコメント。値上げ幅については「7円という数値を予測はしているが、目標として正式決定したわけではない」と述べた。
宅配最大手のヤマト運輸が実施している、総量調整に向けたネット通販(EC)事業者との交渉については「12年ごろから総量の適正化に向けて交渉を進めており、今後も継続していく」と述べた。
宅配業界では現在、人手不足解消や従業員の負担軽減を図るため、運賃値上げや総量調整などの動きが加速している。ヤマト運輸は先月28日、宅配便の基本運賃を140〜180円値上げすることを発表していた。
関連記事
- ヤマト、最大180円値上げ発表 通販大手と交渉、撤退も検討
ヤマトホールディングスとヤマト運輸が、宅配便の基本運賃値上げの詳細と、総量コントロールの内容を正式発表した。 - ヤマト運輸、宅配便値上げ正式決定 27年ぶり
ヤマト運輸が、2017年度に取り組む「働き方改革」の内容を発表。運賃改定と総量調整を正式発表した。 - コンビニ受け取りでポイント 日本郵便、再配達削減で
日本郵便が、宅配便「ゆうパック」の再配達を削減するキャンペーンを発表。コンビニなどで受け取った顧客に各種ポイントを提供する。 - 1回で受け取れば楽天ポイント 日本郵便と再配達削減で連携
楽天と日本郵便は、再配達の削減に向け連携を強化する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.