ベンチャー企業のCoincheck(東京都渋谷区)はこのほど、仮想通貨「ビットコイン」の定期預金サービスを始めた。ユーザーが同社の口座を開設し、一定期間ビットコインを預けると、預入期間に応じて金利が得られる仕組み。
定期預金を申し込んだ場合の預入期間と年利は、14日間で1%、30日間で2%、90日間で3%、1年間で5%――の4種類。利息はビットコインの返却時に、顧客の口座に一括で付与される。
現在、日本のビットコインユーザーは約60〜70万人存在。ビットコインの年間取引高は近年急上昇し、2017年の年間取引額は前年比約4倍の1億5000万BTC(8兆2600万円)に上るとみられている(シードプランニング調べ)。
ただ、現在の取引の多くは投資目的で、店舗でのビットコイン決済などは広く普及するに至っていない。同社は、こうした“ビットコインを眠らせている”層を主なターゲットとし、資産を増やせるというメリットを打ち出してユーザーの獲得を図っていく。
同社は今後、「イーサリアム」「リップル」など他の仮想通貨の定期預金サービスも順次開始する予定としている。
サービス障害も
同社によると同日午前、Coincheckの取引所サービスで、正常ではない価格が表示される障害が起きたという。関連するサーバを停止する措置を取り、仮想通貨の入出金・売買を停止した。
午後3時ごろからは、取引の状態を障害発生以前に戻す対応を行っているが、午後4時現在、復旧のめどは立っていない。
同社のリスク管理や一連の対応に対して、Twitter上では批判的な投稿が相次いでいる。
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