コロプラ、年初来高値 「新システム」「他社IP」期待:「白猫」依存から脱却なるか
コロプラ(東証1部)が5月10日発表した決算に、株式市場が年初来高値の好反応を示している。新しい課金システムを取り入れた新規タイトルと、他社IP活用の新作に期待が寄せられた。コロプラは市場の期待に応えられるか。
コロプラ(東証1部)が5月10日発表した決算に、株式市場が好反応を示している。11日午前の取引では、前日比10%超上昇し、一時は1216円を付けて年初来高値を更新。新しい課金システムを取り入れた新規タイトルと、他社IP活用の新作に期待が寄せられた。
17年9月期第2四半期(16年10月〜17年3月)の連結決算は、売上高272億円、営業利益73億円、純利益48億円。「コスト抑制・削減に努めた」という第2四半期の営業利益は37億円で第1四半期よりは改善したが、100億円越えの最高益を出した前期第1四半期と比較すると3分の1ほどになっている。
同社は売り上げ構造を「リリース年度の売り上げそれぞれが、ミルフィーユのように重なって積み上がるモデル」と説明し、新規アプリの投入と、長期利用を目指した既存アプリ運営の2つのマネジメントを行っている。しかし現状は、16年に投入した新規アプリが伸び悩み、14年にリリースした「白猫プロジェクト」が柱となっている。
同社のアプリ全体のQAU(四半期アクティブユーザー数)は下降傾向にあり、前四半期から202万件減の914万件に。特に大きく減ったのは「白猫テニス」などの16年リリースタイトルだった。その一方で、4周年キャンペーンを行った13年リリースの「黒猫プロジェクト」はアクティブユーザー数、売り上げともに復調を果たした。
「ミルフィーユ」モデルを実現するためには、既存作品の安定運営だけではなく、新規アプリのヒットが欠かせない。コロプラはスマートフォン向けゲームアプリ「プロ野球バーサス」と「Project:Pani Pani」のリリースを予定。これら2タイトルでは、「ガチャ」以外の新しい課金システムも取り入れているという。また、「今後は他社IP(知的財産)ものも予定している」と決算会見で明かしている。
通期の売上高は550億円、営業利益は110億円を見込んでいるコロプラ。前期からは大幅な減収減益の見通しだが、進捗率は順調で、「第3四半期からの新作寄与、第4四半期での白猫プロジェクト・白猫テニスの周年記念イベントが下期の大きなポイントとなる」としている。「白猫」依存からの脱却に期待を寄せる市場に、コロプラは応えられるだろうか。
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