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2020年、中国はITで化ける 世界最大の「IoT大国」に山谷剛史のミライチャイナ(3/4 ページ)

中国は一気にIoT大国への発展を遂げようとしている。IoTは中国の国家戦略として政府が全面的に支援し、5G通信やAIなど関連技術も巻き込み、中国を超IT大国に押し上げようとしている。現地の事情に詳しい山谷氏のリポート。

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シェアサイクルが普及

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一番身近なIoT製品のひとつはMobikeなどのシェア自転車だろう

 ところでIoTの中国の利用の現状はどうか。今のところは家庭内での普及はまだまだだ。スマート家電はあまり売れてはおらず、普及はしていない。家電量販店の家電売り場でもスマート家電はあまり見ることがなく、主にネットショップや街に数店の小米旗艦店で見るくらいだから、知る人ぞ知る程度の存在だ。

 今中国人にとって一番身近な存在は、シェアサイクルだろう。中国の街には「Mobike」や「Ofo」など乗り捨て可能なシェアサイクルが多数走っている。GPS機能を内蔵し、スマートフォンで自転車上のQRコードを読み取ればロックが解除されるもので、これもIoT製品だ。中国のシェアサイクルを代表するMobikeは、現時点で365万台というシェアサイクルの動きをビッグデータから分析する研究所を設立した。

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シェア自転車は利用が進んでいる

 中国でのIoTは、個人用よりも都市インフラや建物のインフラなどに活用されている。都市部では、道路や住宅地まで探すのに苦労はしないほどカメラがたくさん配備されている。監視カメラは病院や学校や寮など、公共の建物内にも導入が進んでいる。調査機関の前瞻産業研究院によると、監視カメラの販売台数は年間1500万台に上るという。交通違反や犯罪の取り締まりに役立てられる一方、学校や寮の中の状況を見ることができるネットサービスも登場している。

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