「地元で働きたい」学生、51%に減少 強まる都会志向:志望企業の少なさなどが理由
18年に卒業予定の大学生は、働く地域についてどのような価値観を持っているのだろうか――マイナビ調べ。
「地元に就職したい」と考えている大学生が減っている――マイナビの意識調査でこんな実態が明らかになった。2018年卒業予定の大学生は、出身高校の所在地と最も働きたい都道府県の一致率が51.8%と、前年から3.5ポイント減。最近で最も高かった12年卒の63.3%から11.5ポイントも低下していた。
地域別では、関東圏の学生の一致率は96.9%と高いものの、中国地方の学生は52.7%、四国地方の学生は46.9%という結果に。マイナビは「就職環境の好転により、学生は大都市圏を中心とした大手有名企業に目が行きやすくなっている」と指摘する。
学生が地元への就職を希望しない理由は、「都会のほうが便利だから」が38.4%でトップ。「志望する企業がないから」(38.1%)、「実家に住みたくないから」(29.9%)、「地域にとらわれず働きたいから」(28.3%)と続いた。
一方、地元への就職を希望する学生は、「両親や祖父母の近くで生活したいから」(47.9%)「実家から通えて経済的に楽だから」(42.2%)「地元の風土が好きだから」(41.2%)などを理由に挙げていた。
ただ、地元外の大学に進学し、Uターン就職を考えている学生にとっては、「地元までの交通費の高さ」(26.0%)、「地元企業の少なさ」(18.6%)、「地元までに要する距離や時間」(14.4%)などが障害になっていることも分かった。
マイナビは「交通費・距離・時間の問題は、企業の担当者が直接都道府県に出向くことで改善できる。『地元企業が少ない』との声も多かったが、学生が認知している企業数が少ないということも考えられる」と指摘。「地元企業は、学生に知ってもらう機会を増やすことが改善策となりそうだ」と提言している。
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