“大人”にも人気! 「ベイブレード」が再び大ヒットした理由:仕掛け人に聞く(4/4 ページ)
1999年に発売されたタカラトミーの玩具「ベイブレード」が、再び大ヒットしている。もともとベイブレードは男子小学生を対象とした玩具だが、20代男性を中心とする大人のユーザーからも人気が高いという。再ブームの仕掛け人に話を聞いた。
ベイブレードを文化にする
もう一つ、バーストの特徴として挙げられるのは、これまでのベイブレードと違い、“大人のユーザー”からも支持されていることだ。堀川氏はベイブレードの対象年齢を「小学生対象」から「全年齢対象」に広げるという新しい挑戦に打って出たのだ。
「本当にベイブレードは小学生だけしか楽しめないのか、その常識を疑ってみました。やりたい大人のユーザーもきっといるはずなのに、メーカー側が自ら壁を作っているのではないかと」
ベイブレードの対戦イベントへの出場にも年齢制限があったが、バーストではそうした制限を設けていない。また、シリーズ第1弾のデザインを復活させるなど、当時ベイブレードで遊んでいた20代のユーザーに積極的にプロモーションを仕掛けたことで、多くの20代ユーザーを獲得できたという。
17年の1月には、お酒を呑みながらベイブレードが楽しめる「ベイブレードバー」を期間限定でオープン(17年1月29日で終了)。ベイブレードバーは大盛況で終わり、多くの大人が来店した。
「20代のユーザーは子どもころにベイブレードで遊んでいた世代。なら、もう一度楽しんでもらえばいいわけです。実際、バーストを購入してくれた20代のユーザーは想定以上にたくさんいました」
ベイブレードには、大人も楽しめるポテンシャルがある――。そう語る堀川氏には、実現したい大きな目標があるという。
「いまの20代が30代や40代になってもベイブレードを楽しんでいただきたい。最終的には全世代に普及し、文化になればいいと思っています。ビリヤードやダーツに年齢制限はありませんよね? それと同じように、みんながベイブレードで遊ぶことが当たり前の存在に育てたいと思っています。飽きられないように、これからもベイブレードを進化させていきたいですね」
関連記事
- “再び”「ポッキー」が急成長できた理由
横ばい状態が続いていた「ポッキー」の売り上げを5年間で50億円も伸ばしたチームリーダーがいる――。チョコレートマーケティング部の小林正典部長だ。彼はどのようにしてポッキーの売り上げを伸ばしたのだろうか。 - 「どうせ売れない」を覆した「もぎたて」大ヒットの理由
2016年に706万ケースを販売したアサヒビールの缶酎ハイ「もぎたて」。これまで、売れる酎ハイをなかなか生み出すことができなかった同社が、なぜ大ヒット商品を生み出せたのか。 - 「ガリガリ君」の急成長と“大失敗”の舞台裏
1981年の発売以来、右肩上がりで販売本数を伸ばし続けてきたアイスキャンディー「ガリガリ君」――。年間販売本数をみると、2006年は約1億本だったが、2012年には4億本を超え、飛躍的に伸びている。どのようにして販売本数を伸ばしたのか。その仕掛けと、あの“大失敗”の裏側を同社のマーケティング部、萩原史雄部長に聞いた。 - JINSが目指す、眼鏡で「認知症ゼロ社会」
「体の内側を知る」をコンセプトにジェイアイエヌが開発した眼鏡型ウェアラブル端末「JINS MEME」――。実はこのJINS MEMEが将来、認知症のない世界を実現するのかもしれないという。 - 甲子園で準優勝した仙台育英の監督がグラウンドに顔を出さない理由
今年の夏の甲子園で準優勝を果たした仙台育英学園高校。部員100人を超すチームをまとめるために、どのようなチームマネジメントを実践しているのか、仙台育英野球部の佐々木順一朗監督に話を聞いた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.