ひょっとしたら、白鵬は「悪役」を演じているのかもしれない:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
大相撲夏場所で、横綱白鵬が優勝した。最近は稀勢の里に人気が集中し、脇役になりつつあったが、さすがの強さを見せつけた。勝っても負けても、世間から批判の目を向けられる白鵬は、ひょっとしたら「悪役」を演じているのかもしれない。
大相撲の高安が大関に昇進した。都内のホテルで伝達式が行われたが、その会場に同じ田子ノ浦部屋で3歳年上の兄弟子・横綱稀勢の里も駆け付け、終了後の記念撮影でガッチリと握手。7月9日から始まる次の名古屋場所(愛知県体育館)では新大関・高安、そして先日の夏場所(両国国技館)はケガのため11日目から途中休場に追い込まれてしまった横綱稀勢の里の“田子ノ浦コンビ”の活躍に大きな期待が集まりそうだ。
さて、その一方で大相撲界の“本当の主役”に返り咲いたのは横綱白鵬である。夏場所で38度目の優勝を自身13度目の全勝Vで飾り、いずれも歴代最多記録を更新。6場所ぶりの賜杯を手にした。新横綱として臨んだ春場所(エディオンアリーナ大阪)で2場所連続優勝を決めた稀勢の里に人気が集中し、ここ最近はすっかり脇役になりつつある感もあったが、やはりさすがの強さを見せつけた。
しかしながら、白鵬はいまだに世間から「ヒール(悪役)」として分類される傾向が強いように見受けられる。横綱稀勢の里と新大関高安ら番付上位の日本人力士たちが力をつけて台頭し、着実に人気を集めるようになってきたことも、その流れに拍車をかけているのかもしれない。
これまでも白鵬の一挙一動はネット上で何かとバッシングを浴びせられる対象となってきた。さる夏場所でも「かち上げ」が繰り出されると「あれはプロレス技のエルボーだから禁止にすべき」などと批判する書き込みも目立った。ここぞの場面で横綱が見せる厳しい攻めだが、昨年の5月場所において豪栄道との対戦の際に相手の左目付近に強烈なかち上げを食らわせて左眼窩壁内壁骨折で負傷させてしまったこともあり、どうしても印象が悪くなってしまっている点は確かに否定できない。
ただし「かち上げ」そのものは大相撲の技の1つで禁じ手ではない。横綱審議委員会の中でも白鵬の「かち上げ」について一部の委員から議論の対象とされそうになったが、最終的に処罰を下されるような事態には発展しなかった。つまりルール上、白鵬の「かち上げ」は問題がない。もし仮に問題とされているならば、白鵬が「かち上げ」を使った時点で行司、もしくは勝負審判が反則負けの裁定を下すはずだ。
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