低迷「巨人」の責任は、誰にあるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
かつて常勝軍団だった巨人が、危機に瀕している。球団史上ワーストの12連敗を喫し、借金も「9」まで膨れ上がった。チーム低迷の要因はどこにあるのか。高橋由伸監督だけでなく、球団フロントにも責任があるはずだ。
体制存続か新体制樹立か
そう考えると今のベンチが機能不全に近い状態となってしまっているのも理解できるかもしれない。開幕5連勝を飾った今季スタート当初のようにチームが波に乗っている時はいいとしても、このような「巨人史上最悪の危機」とささやかれる低迷時に高橋監督や村田真ヘッドら首脳陣同士がまるで“馴れ合い職場”のような関係になってしまっているとしたら、互いに遠慮して言いたいことも言えず、問題は一向に解決しない危険性が出てくるからだ。
こういう不測の事態を生み出してしまうかもしれないというリスクを事前にほとんど考慮せず、原前監督の退任ありきで高橋監督の早期就任にゴーサインを出してしまった責任者たちの罪は決して軽くはない。
いずれにしても、もう今の巨人は何らかの形でメスを入れなければならないほどの「重症」に陥っている。それは誰が見ても間違いない。この連敗街道はいつかきっと止まる。しかし、たとえこれから何度か勝ったところで根本的な問題の解決には至らない。
このドン底を味わったことを反省材料に由伸体制をいま一度、さまざまな意味で軌道修正する必要性があるのではないだろうか。「体制存続」か、あるいは「新体制樹立」か――。
結果が伴わなければ、巨人だけでなくどんな会社組織でも血の入れ替えは断行しなければならない。ましてや「過去最悪」に陥ってしまったのだから、それは求められる当然の処置だ。球団の英断と素早い動きが今後注目される。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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