大人に「ぶたれた」経験のある子どもの数、過去最低に:減る体罰、変わる教育
1970年からの20年間で、大人たちによる教育方法と子どもたちの価値観はどう変わったのだろうか――博報堂生活総合研究所調べ。
教育の一環として、両親に「ぶたれた(殴られた)」経験のある子どもの数が過去最低を記録した――博報堂生活総合研究所による「こども20年変化調査」でこうした結果が出た。
父親から体罰を受けた経験がある子どもの数は、1997年の調査時から31.4ポイント少ない38.4%、母親からは30.9ポイント減の48.6%。体罰を控える教育方針が浸透していることがうかがえる。
また、「親からお小遣いをもらっている」と答えた子どもは15.9ポイント減の63.0%。子どもの金銭感覚を養うための教育も変わっているようだ。
では、こうした教育方針の変化により、現代の子どもの価値観はどう変わっているのだろうか。「自分の部屋に両親が入ってくるのは嫌だ」と考える子どもは、20年前から9.4ポイント少ない36.6%、「家族に言えない秘密がある」と答えた子どもは16.0ポイント減の34.3%。親密度が向上し、親子関係がよりオープンになっていることが分かった。
また、「新商品が出ると、すぐに欲しくなる」子どもは14.8ポイント減の41.6%。「遊びよりも勉強の方が自分にとって大切」と考える子どもは21.6ポイント増の58.1%。現代の子どもは、自分を律する能力を持ち、学習意欲が向上しているのかもしれない。
一方、スマートフォンやタブレットなどの端末や、「ニンテンドー3DS」などのゲーム機を活用したインターネットを楽しむ子どもは増えており、「インターネットを利用していない」と答えた子どもは6.1%にとどまる結果となっていた。
調査結果に対し、博報堂生活総合研究所は「この20年間、日本では教育の脱ゆとり転換、デジタル環境の向上、東日本大震災の発生などさまざまな事象が生じた」とした上で、「子どもたちは自分の置かれた環境を肯定的に捉え、大人や友人との良好な関係のなかで真面目に生きている。新商品や情報の流行への関心は低下しているが、興味があることの情報取得には前向きだ」と分析している。
調査は、2月15日〜3月21日にかけて、首都圏に住む800人の子どもを対象に、留置法によって実施した。
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