ビックリマンがAKB48とコラボしたかったワケ:その狙いは?
お菓子の「ビックリマンチョコ」とアイドルのAKB48グループがコラボレーションした「AKBックリマンチョコ」が発売。その新商品の狙いとは?
かつて年間4億個を売り上げるなど、社会的なブームを巻き起こしたロッテのロングセラー商品「ビックリマンチョコ」。ここ数年はコラボレーション商品によって再び販売数が上昇している。
そうした中でこのたび発売した「AKBックリマンチョコ」は、同社にとって新たな狙いがあった。キーワードはリアルとの融合である。
AKBックリマンチョコとは、ビックリマンチョコと、女性アイドルのAKB48グループがコラボしたもので、6月6日に東日本エリア(静岡含む)で「チームEAST」、西日本エリアで「チームWEST」バージョンを発売した。おまけのシールには、16年6月に開催された「AKB48 45thシングル選抜総選挙」の結果を基に、選抜メンバーからアップカミングガールズまでの80人のメンバーが描かれている。チームEASTはAKB48とNGT48メンバー、チームWESTはSKE48、NMB48、HKT48メンバーで構成。同商品のマーケティング担当者によると、現在、コラボシリーズの平均店頭販売数と比べて1.4倍ほどの売り上げだという。
AKB48グループとのコラボは今後のビックリマンシリーズの進むべき方向性を示していると担当者は意気込む。そのわけは、実在する人物をキャラクター化することを重視したいからだ。
これまで同シリーズはさまざまなコラボを実現。しかし、その多くはアニメや漫画など、既にイラスト化されたものがベースとなっているので、驚きや意外性という点ではどうしてもインパクトに欠けていたという。そうした中で今回コンテンツとして選んだのがAKB48だった。1年以上前からアプローチをかけていて、ようやく商品化にこぎつけた。
なぜAKB48だったのか。「国民的なアイドルであるAKB48グループとコラボすることで、ビックリマンを知らない層も含めて、幅広い人々に興味を持ってもらえるきっかけになると考えたから」と担当者は語る。
一方、AKB48グループ側も、ビックリマンが40周年というアニバーサリーイヤーで勢いがあることや、AKB48選抜総選挙のタイミングで一緒に盛り上げていけることなどが決め手になったとしている。
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