東芝、国際カルテル課徴金の支払いが確定 70億円超:10年間にわたり係争
東芝が「ガス絶縁開閉装置」の欧州市場で国際カルテルを形成していたとして、欧州委員会から課されていた70億円超の課徴金の支払いに同意した。該当金額の支払いを巡り、両者は2007年から10年間にわたって係争していた。
東芝は7月7日、変電所で使用する変圧装置「ガス絶縁開閉装置」の欧州市場で欧州競争法違反行為があったとして、欧州委員会から命じられていた課徴金を支払うと発表した。合計金額は約79億円で、うち約73億円を東芝単独、約6億円を三菱電機と連帯で支払う予定。
欧州司法裁判所が7月6日、課徴金の支払いを不服とする東芝の訴えを棄却し、欧州委員会の決定を支持する判決を確定したため。
東芝や三菱電機など計19社は2007年1月、ガス絶縁開閉装置市場で国際カルテルを形成していたとして、欧州委から課徴金の支払いを命じられていた。
東芝はこれを不服とし、同年4月に欧州一般裁判所に提訴。同裁判所は11年7月に「東芝が国際カルテルに参加していた」とする欧州委の決定を指示したものの、課徴金の算定方法に誤りがあったとし、東芝に対する課徴金をいったん取り消していた。
この判決を踏まえ、欧州委は12年6月、東芝に対する課徴金の金額を再度算出。約73億円を東芝単独、約6億円を三菱電機と連帯で支払うことを要求した。
東芝はこの要求も不服とし、12年9月に欧州一般裁判所に再び提訴。同裁判所は16年1月に欧州委の算定額を支持する判決を下したが、同社が3月に欧州司法裁判所に上訴したため、支払いを巡る係争が長引いていた。
東芝は「課徴金については、そのほぼ全てを過年度に引当計上済であり、17年度業績に与える影響は軽微」としている。
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