バンダイナムコホールディングス(HD)が海外でのアニメ配信事業から撤退すると、一部報道機関が8月23日報じた。
同日付の日本経済新聞によると、「動画配信市場での米国勢との競争に生き残れなかったため」という。
中でも、子会社のアニメコンソーシアムジャパン(ACJ)が運営する海外向けアニメ配信サイト「DAISUKI.net」は、動画配信サービス大手のHuluやNetflixとの競争で後手に回り、計画通りに有料会員を獲得できていなかったという。
DAISUKIは「ドラゴンボール超(スーパー)」「Fate/Grand Order −First Order−」などのアニメの英語版を配信しているが、10月の閉鎖が決定している。
日経新聞は、「会員数の少なさを懸念した参加企業が有力タイトルを出し渋ったため充実したコンテンツを用意できず、さらに会員が増えないという悪循環に陥っていた」と指摘している。
ACJは、バンダイナムコHD、アサツー・ディ・ケイ、アニプレックスの共同出資によって2014年に設立。その後、官民ファンドの需要開拓支援機構(クールジャパン機構)や講談社、集英社、小学館など大手出版社からも出資を受け、日本のアニメの海外発信やグッズ販売などによるファン拡大に取り組んでいた。
しかし、苦戦が続いたため、17年3月にはバンナムHDが他の出資者の株式を約20億円で買い取る形で完全子会社化していた。
「撤退はしない」と報道を否定
一連の報道に対し、バンダイナムコHDは「アニメ海外配信から撤退するという事実はない」と否定。「ACJで行っている配信事業は終了するが、その他グループ各社で行っている配信は今後も継続・強化していく。海外に日本のアニメ文化を発信したいという方向性に変更はない」とのコメントを発表した。
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