楽天、低速時でも1Mbps通信可能な新プラン UQ、ワイモバに対抗:使い勝手で差別化図る
楽天モバイルが、新プラン「スーパーホーダイ」を9月1日から提供開始すると発表した。高速通信容量を使い切った場合でも約1Mbpsと比較的快適なデータ通信が可能な点が特徴だ。
楽天は8月23日、MVNO(仮想移動体通信事業者)「楽天モバイル」の新プラン「スーパーホーダイ」を9月1日から提供すると発表した。高速通信容量を使い切った場合でも、約1Mbpsと比較的快適な速度でデータ通信が可能な点が特徴。大手携帯電話事業者(キャリア)のセカンドブランドとしてシェアを伸ばしている「Y!mobile」や「UQ mobile」に対抗する。
約1Mbpsのデータ通信では、Webブラウジングやゲームアプリの操作、動画の視聴など、日常的なネット利用が可能だ。ただし、通信が混み合う午後0時〜1時、午後6時〜7時は最大300kbpsと低速になる場合があるという。
同プランでは、通話アプリ「楽天でんわアプリ」経由での5分以内の国内通話は回数無制限で利用できる。
月額基本料金は、高速通信容量2GBの「プランS」が2980円(税別、以下同)、6GBの「プランM」が3980円、14GBの「プランL」が5980円。「楽天会員」は、契約1年目の料金が1000円引きとなる。
クレジットカード「楽天カード」を保有しており、「楽天スーパーポイント」の獲得回数などが一定の条件を満たした「ダイヤモンド会員」は、契約1年目の料金からさらに500円を割り引く。
解約率の低下に向け、長期契約者向けの優遇施策「長期優待ボーナス」も展開する。スーパーホーダイ申し込み時に2年契約を結んだユーザーに対し、端末代金から1万円を、3年契約の場合は2万円を割り引く。端末を購入せず、SIMカードのみ契約するユーザーに対しては、割引額相当分の楽天スーパーポイントを付与する。
契約満了後に自動更新する仕組みは設けず、ユーザーに幅広い選択肢を提供するとしている。
他社との差別化を図りつつ、社内カンパニー全体を強化
データ通信容量に応じた3段階のプラン設定は、大手キャリアのサブブランドであるY!mobile(ソフトバンクグループ)やUQ mobile(KDDIグループ)と同様だ。ただし、2社は高速通信容量を使い切った際に通信速度が低速化するため、楽天は通信速度を改善して快適なサービスを提供することで差別化を図る考えだ。
楽天の大尾嘉宏人 執行役員は「サブブランド2社は大規模なプロモーションを展開しており、勢いがあると感じているが、当社は使い勝手を追及するという独自路線を貫く」と話す。
平井康文 副社長執行役員は「大手キャリアも格安プランの提供を始めているが、利用の際に細かな条件が求められる。あくまで当社はシンプルなサービスにこだわっていく」と話す。
「楽天モバイルで提供する端末には、『Rakuten マンガ』『Rakuten GAMES』などのアプリがインストールされている。楽天モバイルのユーザーにさまざまなコンテンツを利用してもらうことで、社内カンパニー『通信&メディアカンパニー』の事業全体を強化していきたい」(平井副社長執行役員)という。
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