紅茶専門店のビジネス失敗でも、スタバが勝ち残る理由:来週話題になるハナシ(1/4 ページ)
「TEAVANA」というティーのブランドをご存じだろうか。全米でチェーン展開をしてきた紅茶専門店で、2012年にスターバックスが買収した。ただ、買収からわずか5年で、全店を閉鎖。スタバは大きな打撃を受けたのだろうと思っていたら、実情はちょっと違うようだ。どういうことかというと……。
「TEAVANA(ティバーナ)」というティーのブランドを聞いたことがあるだろうか。
ティバーナは全米でチェーン展開をしてきた紅茶専門店。2012年に大手コーヒーチェーン・スターバックスが6億2000万ドルで買収したことで大きく注目された。日本のスターバックスでも「今までなかったTEA体験をお届けするために生まれたブランド」として大々的に売り出しており、スターバックス利用者ならその名を目にしたことがあるだろう。
「TEAVANA」とは、TEA(お茶)とNIRVANA(ニルヴァーナ/至福の境地)を掛け合わせた造語で、香りや味のブレンドにこだわり、紅茶の無限の可能性を引き出す「体験」をウリしている。
そんなティバーナだが、スターバックスは買収からわずか5年で、米国とカナダで展開する379店舗すべてを閉鎖すると発表して話題になっている。その理由は、言うまでもなく、店舗でのビジネスがうまくいかなかったからだ。
6億ドル以上の投資がうまくいかなかったとなれば、さぞスターバックスは痛手を負っているだろうと思うが、実情はどうもそうではないようだ。それどころか、ティバーナに今後も勝算を見ているという。
スターバックスがティバーナの全店舗を封鎖しても痛くない理由の1つは、ティバーナの店舗を撤退させることは、長期的にみるとメリットのほうが大きいからだという。
どういうことかと言うと、ティバーナの店舗の多くは、客足が減っているショッピングモール内に出店している。そのため、ショッピングモールのにぎわいがなくなるにつれ、ティバーナの業績も当然ながら落ち込み、スターバックスの営業利益をどんどん圧迫する状態になっていた。
関連記事
- ドイツのスーパーが、かなりの勢いで世界中に広がっている秘密
ドイツのスーパー「ALDI(アルディ)」が、ものすごい勢いで成長している。英国や米国などでも店舗数を増やしていて、現在、世界18カ国で1万店以上を展開。日本では聞き慣れないこのスーパー……なぜ世界の人に支持されているのか。 - 売り場を減らしたのに、なぜ崎陽軒のシウマイはバカ売れしているのか
東京や新横浜で新幹線に乗ると、車内でビールを飲みながら「シウマイ」を食べているサラリーマンをよく目にする。崎陽軒の「シウマイ弁当」だ。駅弁市場は縮小しているのに、なぜシウマイ弁当は売れているのか。その理由を、同社の担当者に聞いたところ……。 - 米国のファミレスが苦戦している、3つの理由
米国のファミリーレストランが苦戦している。日本と同じように“若者のファミレス離れ”が加速しているが、それだけではない。米国では3つの要因が重なって……。 - 焼肉専用コンロ「やきまる」が、目標の5倍も売れているワケ
岩谷産業の焼肉専用コンロ「やきまる」が売れている。2016年に発売したところ、いきなり品薄状態に。年間目標の5倍ペースで出荷している理由を、開発担当者に聞いたところ……。 - なぜマラソンビジネスが巨大化しているのか
いま、米国ではマラソンがとんでもない盛り上がりを見せている。国際的に有名なニューヨークシティマラソンなどのほかに、国内で約1200もの大会が開催されている。マラソン大会が増え続けている背景を調べてみると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.