ビッグエコー、「カラオケで仕事」プランを全国展開:広報担当者に反響を聞いた
カラオケチェーン「ビッグエコー」を運営する第一興商が、カラオケの個室をワークスペースとして提供する「ビジネスプラン」の全国展開を始める。広報担当者に、反響の大きさや顧客層について聞いた。
カラオケチェーン「ビッグエコー」を運営する第一興商は8月30日、カラオケの個室をワークスペースとして提供する「ビジネスプラン」を、9月4日から札幌、名古屋、大阪、広島など全国の主要ビジネスエリアに拡大し、計32店舗で展開していくと発表した。
ビジネスプランは4月24日から首都圏の一部店舗で実施。電源タップ、HDMIケーブル、卓上ホワイトボード、Wi-Fiを無料で貸し出し、複数人でのミーティングと個人での作業の両方に対応する点が特徴だ。
料金体系は、1ソフトドリンク付きで60分600円(税別、以下同)、延長30分当たり300円。オープン(店舗によって異なる)〜午後7時までのフリータイムは1500円。
第一興商によると、「本来、料金体系は店舗によって異なるケースがあるが、ビジネスプランでは経費申請のしやすさを考慮して全店舗一律の価格にした」(広報担当者)という。
駅に近い点やミーティングの内容が外に漏れにくい点など、カラオケ店ならではの利点を生かして仕事ができるため、導入店舗で実施したアンケートでは利用者から「アクセスがしやすい」「仕事に集中できる」「外出先でも長時間の電話会議ができる」などと一定の評価を得たという。
さらに、出張時の利用などを見込んで「首都圏以外の店舗でも利用したい」という要望が相次いだため、全国展開に踏み切ったとしている。
「ビジネスプラン」はどの程度利用されたのか
第一興商の調査によると、首都圏で展開していた4カ月間に来店したビジネスプラン利用者の内訳は、会社員が約7割強、フリーランスなどその他の職種が約3割弱。1組当たりの利用人数は1.8人で、個人利用者が多かった。
利用時間帯は、オープン〜午後2時が最多。利用時間の平均は約2時間で、移動中に来店するケースが大半を占めた。
最も利用者が多かったのは、品川港南口中央店と新橋烏森口店(ともに東京都港区)で、ビジネスプラン提供開始後に1日当たりの来店者が約5%増加したという。
ただ、ビジネスプランは上記2店舗のようなビル1棟型の店舗では好調だった一方、複合ビルなどの一部の階にカラオケ店が入居する「空中店舗」では周知に苦しみ、利用者が伸び悩んだという。
第一興商は、「全国展開に当たって、ビジネスプランの提供は1棟型店舗のみで行う方針に切り替えた。首都圏の空中店舗では同プランの提供を取りやめる」(同)と話す。
今回はビジネスプランの提供を見送った地域での今後の展開については、「現時点では未定。利用動向を踏まえつつ検討していきたい」(同)としている。
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