カラオケ「まねきねこ」大躍進の裏側:長浜淳之介のトレンドアンテナ(1/4 ページ)
近年、「カラオケ本舗 まねきねこ」が絶好調だ。店舗数で業界首位を走ってきた第一興商の「ビックエコー」にほぼ並びトップクラスに躍り出た。一体何が起こっているのか。
カラオケチェーン「カラオケ本舗 まねきねこ」(以下、まねきねこ)が攻勢を強めている――。
2016年8月期の店舗数は426店、前年の381店に比べて、1年間で45店も増えた。また、9月1日に首都圏で「カラオケムーン」「カラオケシンシア」など計12店を展開するムーンを吸収合併し、順次「まねきねこ」に転換させている。これによって、店舗数で業界首位を走ってきた第一興商の「ビックエコー」(457店)にほぼ並んだ格好だ。
運営会社のコシダカホールディングスは2007年の上場以来、増収増益が続いており、今年の11月7日にジャスダックから東証1部に市場変更している。
まねきねこは「飲食物持ち込み自由」を特徴とし、調理に掛かる人件費を節約できる分だけ料金が安い。直近では、全店施策として高校生グループの室料を無料にする「ZEROカラ(ゼロカラ)」(昨年9月から)や、午前11時より前の入室なら昼の12時まで誰でも室料が10円になる「朝うた」(今年7月から)といったキャンペーンを実施。顧客単価は平均して1200〜1300円程度。店舗の多くは地域商圏のカラオケボックスで最安値となっている。
以前より、まねきねこは郊外を中心に地域に密着したサービスを行い、店舗数を拡大してきた。近年は地方で培った顧客サービスのノウハウを武器に、人口が集中する首都圏に積極的に出店を進めている。
コシダカホールディングス・広報担当の大和広樹氏によれば、まねきねこの強みは、「新しいサービスの創造」という経営方針が従業員に浸透しており、他社にはないサービスを展開できることだという。
では具体的に、まねきねこはどんな「新しいサービスの創造」を行ってきたのだろうか。
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