カラオケ「まねきねこ」大躍進の裏側:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)
近年、「カラオケ本舗 まねきねこ」が絶好調だ。店舗数で業界首位を走ってきた第一興商の「ビックエコー」にほぼ並びトップクラスに躍り出た。一体何が起こっているのか。
居抜きによって出店コストを約20分の1にまで抑制
まねきねこは群馬県前橋市を発祥とし、1964年に先代の創業者・腰高善治氏が個人で開いた中華料理店「新盛軒」がルーツ。「上州ラーメン」の屋号で、群馬県内で6店をチェーン化したほど繁盛した。
そうした中、現社長の腰高博氏が草創期であったカラオケボックスに成長性を見いだし、90年8月にカラオケ店「オイコット」をオープン。
ブランド名を「まねきねこ」に変更したのが93年。まねきねこの店名は顧客からすぐに覚えてもらえるように、名付けた。その頃は横文字のカラオケ店が多かった中、「まねき」の愛称で親しんでもらえるようになったという。
97年6月には同県伊勢崎市で客数が落ちて閉店したカラオケボックスを居抜きで改装し、まねきねこに転換。年商5000万円を叩き出し、見事に再生させることに成功した。この成功体験をきっかけに、通常5000万円〜1億円かかる出店コストを居抜きによって約20分の1にまで抑制し、出店ペースを大きく上げた。
24時間営業でいつでもカラオケが楽しめ、飲食物も持ち込み自由。当時の他社にはなかったアイデアがユーザーから支持され、04年には100店、10年には300店を突破し、全国トップレベルの店舗数へと拡大した。
「内装がきれいで設備が整っていて料金もお得――と、ご好評いただけています。もともと地方の地元でまねきねこを知ってくださっていた方が上京し、都心にできたまねきねこを『懐かしい』とご利用いただくケースが多く見られています」(大和氏)。
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