それでもイチローは帰国せず、「生涯メジャー」を貫く:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
イチロー外野手がまた偉業達成に近づいている。8月31日現在、今季の代打安打は23本で、メジャー記録の28本にまであと「5」に迫っている。ただ、肉体の衰えやチーム事情などにより、来季は……。
最高のコンディションづくりに黙々と励む
正直な感想を言えば、これらの報道はこの時期の風物詩なのかなと思う。古巣のオリックスを含め日本球界復帰がさも決定したかのように断じたり、レジェンドと評されるイチローを劣化したとディスったりすれば、人々の関心を引く。
オフが近づくとこの手の記事が日本のメディア(特に週刊誌)に掲載されることが非常に多くなってきた。今年で44歳を迎えるのだから、当たり前と言えば当たり前。そして普通に考えれば、とっくに引退していて不思議のない年齢である。
しかしながら、彼はまだ現実としてメジャーの舞台に立っている。スタメンでの常時出場は厳しい状況となっているが、代打でもこれだけの成績を残しているのだ。類いまれな集中力とパフォーマンスがまだまだ健在とあれば、マーリンズのフロントの見地から判断して契約延長に値すると考える。
2017年の夏前ごろに「動体視力の劣化」や「運動能力の低下」を指摘する日本の有識者の論評を目にしたことがあったが、年齢面を考えれば「劣化」や「低下」は当然だ。本人だって、それは百も承知であろう。だからこそイチローが今、真剣に取り組んでいるのは大ベテランの域に達した現状においても、100%のベストパフォーマンスをいかんなく発揮する肉体と精神を維持し続けることである。
全盛期より劣った分は逆にここまで積み重ねてきた経験値がインサイドワークとして、その穴埋めの材料にもなることも彼は無論熟知している。今年で44歳を迎える男がこれほどのプレーを見せられる背景には過去の自分をいつまでも追い求めるのではなく、あくまでも今の自分だからこそできる最高のコンディションづくりに黙々と励む姿があることを忘れてはいけない。
そのために彼がグラウンド上でのプレー以外においても入念なストレッチを行ったり、あるいは近年自ら取り入れている初動負荷理論に基いたトレーニングに没頭したりするなど、とにかく数え切れないほどある"イチ流"の独特なルーチンワークにはチーム内の誰もが目を見張っている。
関連記事
- 焼肉専用コンロ「やきまる」が、目標の5倍も売れているワケ
岩谷産業の焼肉専用コンロ「やきまる」が売れている。2016年に発売したところ、いきなり品薄状態に。年間目標の5倍ペースで出荷している理由を、開発担当者に聞いたところ……。 - 働かない松坂と契約延長しても、球団が一儲けできる背景
福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔投手が来季も契約延長となる可能性が高まってきている。ろくに働いていない彼と契約することで、球団はどのようなメリットがあるのか。そこには親会社と球団の戦略があって……。 - だから、総合格闘技「RIZIN」の視聴率は低迷した
フジテレビが放送した総合格闘技イベント「RIZIN」の視聴率が6.3%にとどまった。フジテレビは「健闘した」とアピールしたが、本当にこの数字に満足しているのだろうか。視聴率が低迷した原因は、やはり……。 - 日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。 - 野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.