音楽ライブの直通バスでVR体験 歌手から「愛の告白」も:DISH//リーダーが「好きだよ」
WILLERとKDDIが、ライブ会場への直行バス内でVRコンテンツを視聴できるサービス「ライブバス VR」を始める。バンドメンバーと近くで会話しているかのような体験ができる点が特徴だ。まずは2018年元旦に開催される「DISH//」の武道館ライブに向かう車内で、メンバーからの“告白”などを体験できるVR映像を配信する。
ライブに向かうバスの中でVRゴーグルとヘッドフォンを装着すると、人気バンドのメンバーが「今日、君と一緒に居られてよかった」「好きだよ」と耳元でささやく――。
高速バス事業などを手掛けるWILLER(ウィラー)とKDDIが、アーティストと近くで会話しているかのようなVR映像を楽しめる「ライブバス VR」を2018年1月から始める。
ウィラーが運営しているライブ会場への直行バス「ライブバス」の車内で、段ボール製VRゴーグル「ハコスコ」を無償配布し、KDDIが制作したVRコンテンツを提供する。女性ファンが主なターゲットで、移動中も音楽ファンを楽しませる狙いがある。
第1弾として、2018年1月1日に開催される5人組ダンスロックバンド「DISH//(ディッシュ)」の単独ライブ「DISH// 日本武道館 '18元旦 単独公演」に向かうライブバス車内で、メンバーとのリアルな会話を体験できるVR映像を配信する。
コンテンツの内容は、DISH//メンバーと一緒にバスに乗車している場面を想定。隣に座るリーダーの北村匠海さんから“愛の告白”をされるシーンや、バンドメンバーに後ろから目隠しをされて「だーれだ?」と話しかけられるシーンのほか、デートや雑談シーンなど計4種類を配信する。
KDDI ビジネスIoT企画部の原田圭悟部長は「ライブバス内はゆっくり座ってコンテンツを体験できる場所であり、ファンの一体感も醸成できるため、VR活用に最適なシーンと判断して導入を決めた」と話す。
臨場感を生み出す技術で撮影
臨場感を生み出すため、映像はバスのエンジンをオンにした状態で、着席した女性の目の高さにVRカメラを設置して録画。音声も、人間の頭部の構造を再現したマイクを使用し、より耳に届きやすい状態で録音した「バイノーラル音源」を採用している。
VR映像は、視聴者が視線を動かした際でもタイムラグなく追随するため、“VR酔い”を起こしづらいという。
ウィラーの村瀬茂高社長は、「テクノロジーと移動手段を組み合わせることで、新たな“移動文化”を生み出したい」と意気込む。
「今後は『バンドメンバーとの交流』というテーマにとどまることなく、ライブバス内で楽しめるコンテンツを20種類ほど開発していく予定。新コンテンツのテーマは、訪日外国人に日本の魅力を訴求する“クールジャパン”などを検討している」(村瀬社長)としている。
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