ハリル監督は“本田切り”を断行できるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
サッカー日本代表、本田圭佑が厳しい現実を突きつけられている。ロシアW杯アジア最終予選に出場したものの、パフォーマンスは目を覆いたくなるほどひどかった。スポンサーからの圧力や協会の声を無視して、ハリルホジッチ監督は“本田切り”を断行できるのだろうか。
“本田切り”を断行できるのか
日本サッカー協会関係者が次のように内情を打ち明ける。
「要は日本代表の編成や統括に影響力のある(日本)サッカー協会の一部幹部が『スポンサーからの印象を良くしたい』、あるいは『もっと条件のいいクライアントと手を組みたい』などとベクトルを違ったところに向けている。そういう風潮があるから、どうしても注目度が高くてスポンサーからのウケも計算できる本田の招集へとつながっていきやすくなるのだ。
協会のなかにこのような風潮があれば、ハリル(ホジッチ監督)はスポンサーをヘンに意識して、メンバー招集の時にいろいろ迷ってしまう。日本の文化に馴染もうとしている彼は、そんな周囲の悪影響を受けて『これが日本のスタンダードなのか』と誤解し、胸の内に“忖度(そんたく)”の考えが芽生えているのではないか」
スポンサーやファンの人気面を頭に入れた日本代表のメンバー構成だけはどうか勘弁してもらいたい。ハリルホジッチ監督にはドラスティックに“本田切り”を断行してほしいと切に願う。
一方、そこで追い詰められた本田がパチューカで断崖絶壁から這(は)い上がり、ハイレベルのメキシコ・リーガMXでパフォーマンスの高さを誇示できれば、その時は文句なしで日本代表に再招集されるはず。窮地になればなるほど逆に燃えるタイプの男には、あえて突き放すことも良薬となる。スポンサーや日本サッカー協会のお偉方のことなど気にせず、ハリルホジッチ監督にはロシアW杯で勝つためのチーム編成に非情さも持って今から取り組んでほしい。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
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