ハリル監督は“本田切り”を断行できるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
サッカー日本代表、本田圭佑が厳しい現実を突きつけられている。ロシアW杯アジア最終予選に出場したものの、パフォーマンスは目を覆いたくなるほどひどかった。スポンサーからの圧力や協会の声を無視して、ハリルホジッチ監督は“本田切り”を断行できるのだろうか。
スポンサーは協会に圧力をかけているのか
そもそもハリルホジッチ監督には今回の本田の代表招集に関しても、不可解なところがあった。所属クラブでの出場機会が少ない状況だったにもかかわらず本田を招集し、しかもサウジアラビア戦で「限定45分」の起用を試みた点だ。
招集前の時点で本田のレベルが低調と分かっていたのであれば、最初から招へいしなければいい。加えていくらW杯出場を決めた後の消化試合とはいえ、そのような選手の先発出場にゴーサインを出し、前半のみの限定起用とあらかじめ決めておく形を取っていたことにも疑問符が付く。
もしかすると指揮官は本田にこれまでの代表内での貢献度を尊重しつつ、たとえぶっつけ本番でも経験値の高さでカバーしながら何らかのサプライズを与えるような好プレーを見せてくれればいいとイチかバチかの賭けに出ていたのかもしれない。しかしながら、そのバクチは大きく外れてしまった。サウジアラビア戦は本大会へ向けてもっと発展的なゲームプランや仕掛けを試すチャンスでもあったが、前半限定起用の本田のパフォーマンスが余りにも低かったためにそれもご破算になってしまった。
無残な低パフォーマンスに終始したのだから、もうハリルホジッチ監督は本田外しにちゅうちょすることもあるまい。ただ、それでも指揮官が決断に向け、二の足を踏みそうな気配が漂っていることは分かる。日本代表を統括する日本サッカー協会内にスポンサーの顔色をうかがう傾向があるからだ。
何だかんだと言われながらも世間における本田のネームバリューは絶大。実を言えば、日本サッカー協会内部において「スポンサーが集まりやすく知名度の高い本田が代表入りしているか否かで、やはり大きな違いが生まれる」との見立てを口にする関係者は数多い。スポンサーは協会に対して、圧力ともとれる振る舞いをしているのだろうか。
実際に取材を重ねていても日本代表のオフィシャルスポンサーの中で「本田が代表入りしなければウチは降りる」などとエクスキューズを付けている企業の話は聞いたことがないし、たとえ本田抜きでも今やブランド化しているサッカー日本代表に対して新たにスポンサーとして名乗りを上げたい大手クライアントは後を絶たないとも耳にする。
関連記事
- 「ウィルキンソン」がバカ売れしている本当の理由
「ウィルキンソン」が売れている。躍進のきっかけはハイボールブーム。割り材としての需要が増えたことでブランド認知が上がったそうだが、大事な要素が欠けているのではないだろうか。どういうことかというと……。 - 働かない松坂と契約延長しても、球団が一儲けできる背景
福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔投手が来季も契約延長となる可能性が高まってきている。ろくに働いていない彼と契約することで、球団はどのようなメリットがあるのか。そこには親会社と球団の戦略があって……。 - 日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。 - 野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。 - だから、総合格闘技「RIZIN」の視聴率は低迷した
フジテレビが放送した総合格闘技イベント「RIZIN」の視聴率が6.3%にとどまった。フジテレビは「健闘した」とアピールしたが、本当にこの数字に満足しているのだろうか。視聴率が低迷した原因は、やはり……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.