阪神タイガースの「超変革」がなかなか進まない、なぜ?:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
阪神タイガースがいまひとつパッとしない。下位とのゲーム差を考えれば2位の座は大丈夫だと思うが、広島や巨人に勝てない。昨季「超変革」のスローガンを掲げているのに、なぜチーム内で変革が進まないのか。
V字回復を狙うための「種」はまいた
話を再び冒頭の金本監督に戻したい。広島V決定の日、緒方監督の胴上げを見ていた彼の姿から「オレがやっていることは本当にこれでいいのか」と自問自答しているように思えたのは、自らが押し進めている「超変革」がいまひとつチームに浸透し切れていないことと関係している。
就任1年目の昨季、金本監督はチームスローガンとして「超変革」を掲げ、世代交代を促すためにたとえ実績がなくても積極的に若手を起用。若手有望株と呼ばれながらも二軍暮らしの長かった北條史也内野手、2016年のシーズン開幕当初は育成選手だった原口文仁捕手ら“金本チルドレン”が続々と一軍メンバーに入るようになった。ルーキーの高山俊外野手は球団の新人最多となる136安打をマークして新人王を獲得し、一気にブレイク。それまで通算2勝だった岩貞祐太投手を先発起用するなど投手陣にもメスを入れ、若手への切り替えを図った。
若手を我慢しながら起用するというチーム方針のツケもあって昨季の順位は64勝76敗3分の4位。4年ぶりのBクラス転落に暗黒時代の再来を危惧する声もあったが、V字回復を狙うための「種」はまいた。
就任2年目の今季は昨季の育成路線からチーム内にさらなる競争意識を求めた。勝負の厳しさを植え付け、常勝軍団を作り上げるためだ。結果として今季はここまで昨季よりも大きく勝ち星を伸ばし、貯金も大幅に増やしてリーグ2位でのゴールは確実。パッと見れば、十分に成果をあげているように見える。
関連記事
- UFOキャッチャーが人の心を“つかみ”続けている理由
アミューズメント施設などでUFOキャッチャーをプレイしたことがある人も多いのでは。UFOキャッチャーは1985年に登場したのに、なぜいまでも多くの人に愛されているのか。セガ・インタラクティブの担当者に話を聞いたところ、意外なことが分かってきた。それは……。 - 働かない松坂と契約延長しても、球団が一儲けできる背景
福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔投手が来季も契約延長となる可能性が高まってきている。ろくに働いていない彼と契約することで、球団はどのようなメリットがあるのか。そこには親会社と球団の戦略があって……。 - 日本ハムが“ハンカチ王子”を「クビ」にしない理由
“ハンカチ王子”として一躍有名になった日本ハムの斎藤佑樹投手も今季でプロ6年目。もういい加減、一軍で活躍しないと「解雇」の二文字もチラついてきそうだが、球団はどのように考えているのだろうか。 - 野球評論家の張本勲氏は、なぜ失言を繰り返すのか
人気情報番組『サンデーモーニング』に出演している野球評論家・張本勲氏のコメントが、ネット上でしばしば“炎上”する。現役時代の張本氏は偉大な選手だったのに、なぜ失言を繰り返すのか。スポーツライターの臼北氏が分析したところ……。 - だから、総合格闘技「RIZIN」の視聴率は低迷した
フジテレビが放送した総合格闘技イベント「RIZIN」の視聴率が6.3%にとどまった。フジテレビは「健闘した」とアピールしたが、本当にこの数字に満足しているのだろうか。視聴率が低迷した原因は、やはり……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.