阪神タイガースの「超変革」がなかなか進まない、なぜ?:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
阪神タイガースがいまひとつパッとしない。下位とのゲーム差を考えれば2位の座は大丈夫だと思うが、広島や巨人に勝てない。昨季「超変革」のスローガンを掲げているのに、なぜチーム内で変革が進まないのか。
金本監督の苦しさと歯がゆさ
現状で「間違いなくレギュラークラス」と断言できそうなのは、糸井嘉男外野手と福留孝介外野手、鳥谷敬内野手の3人ぐらい。皮肉なことにいずれも「超変革」とは逆行するベテランたちだ。遊撃手の定位置を確保するかと思われた北條は不振に陥り、原口も年間を通じての一軍定着は果たせていない。高山は昇格間近と言われているもののいまだ長い二軍暮らしが続いている。
ただ今季は新たな金本チルドレンも着実に才能を開花させている。チーム最多本塁打の20本を放っている24歳の中谷将大外野手や、4番に抜てきされているドラフト1位ルーキーの大山悠輔内野手だ。手厳しい虎党からは「まだまだ甘い」とお叱りを受けそうだが、先発マスクを被る機会の多い23歳の2年目、坂本誠志郎捕手もその1人かもしれない。しかしながら、そのいずれの若手選手たちも現状では「未完の大器」。お世辞にも殻を完全に破ったとは残念ながら言い切れない。
そうした側面において金本監督は実際に今、大きな悩みに直面しているようだ。指揮官の古巣、広島カープで苦楽をともにした大物OBが金本監督の心中を代弁する。
「カネ(金本監督)はね、本当のことを言うと今の選手たち1人ひとりに闘魂を注入させたい気持ちなんですよ。時に鉄拳もふるって、ビシっとさせたい。ヘンな野蛮な意味ではなく、昔の言い方で“愛のムチ”というやつです。自分も散々やられて、成長して大きくなったところがあるからね。
ただ今のご時勢で、それをやってしまうと何かと周囲がうるさくて問題になってしまうからね。それができないから、選手たちにはいろいろ厳しく口で言っていくしかない。本当はスパルタ方式でビシビシと選手を熱血指導して叩き上げの秘蔵っ子を作り上げていきたいんだけど、それがなかなか簡単にできないところに彼の苦しさと歯がゆさがある」
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