体臭ビジネスが盛り上がると日本人がおかしくなるのは本当か:スピン経済の歩き方(1/5 ページ)
臭いで周囲を不快にさせてしまう「スメルハラスメント」への関心が高まり、「体臭ビジネス」が盛り上がっている。しかし、「不快な臭い」が全て排除される環境には危険性もあるのではないか。なぜかというと……。
「体臭ビジネス」が盛り上がりをみせている。
先日も、コニカミノルタの新規事業開発部隊「BIC JAPAN」が、体臭を点数で示す世界初の携帯型チェッカー「Kunkun body(クンクンボディー)」を開発したというニュースが注目を浴びた。
少し前も、Next Technology(ネクストテクノロジー)という九州のベンチャー企業が、足の臭いをかいで「くさい」と判断すると、ひっくり返って気絶する犬のぬいぐるみ「はなちゃん」を開発したニュースが話題となったのも記憶に新しい。
このような「体臭の見える化」が進んでいくことで、「男のニオイ消し市場」が新たな成長ステージに入っていくのは間違いないだろう。
エレベーターで男性が女性の大群に囲まれて「クサッ!」「なんか酸っぱい」などと「逆スメハラ」されるCMが「男性差別だ」と炎上した「ファブリーズ」や、「リセッシュ」というスーツのニオイ消しは、今やおじさんから若者までビジネスマンにとってなくてはならないアイテムとなった。
しかし、どんなにスーツを消臭しても、それを身にまとう人間自体がキツい体臭を発しては意味がない。現実世界ではCMのように面と向かって「クサッ!」などと誰も言ってくれないので、気付かぬうちに「隣のオッサンのニオイがきつくて仕事に手がつきません」なんて陰口をたたかれ、「スメハラ」の「加害者」になっている恐れもあるのだ。
このような悲劇を「体臭の見える化」は解決できる。
例えば、マンダムは企業向けに「においケアセミナー」(所用時間1時間、参加者30人以上)を開催。監修をつとめる「においケアeラーニング『スメルマネジメント』」というeラーニングまでつくられている。「体臭の見える化」というKPI(目標達成のための指標)があれば、「スメルマネジメント」の幅もさらに広がっていく、というのは容易に想像できよう。
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