置くだけの防犯カメラが、どんどん増えているワケ:万引き件数も減少(3/3 ページ)
置くだけの防犯カメラが増えているのをご存じだろうか。大手アパレル専門店やファストフード、ゼネコンなどさまざまな業界で導入が進んでいる。なぜ置くだけの防犯カメラが注目を浴びているのか。その理由は……。
このビジネスを始めたきっかけ
このほかにもさまざまシーンで活用されている。ある小売店では、レジ付近にカメラを設置し、その映像を若手研修に活用している。全国展開している店舗では、優秀な人の仕事ぶりを目にする機会がなかなかない。この防犯カメラは鮮明に映るので、若手は優秀な人の接客などを見て、自分の仕事に生かしているという。また、某物流会社の倉庫では商品をベルトコンベアに流しているが、忙しくなると流れが悪くなることも。そうした事態が起きないように映像で管理し、オペレーションの業務改善を図っている。
「クラウド型の防犯カメラを設置することで、その会社が抱えていた課題を解決するといったケースが増えてきました。従来の防犯カメラは『売って終わり、設置して終わり』でしたが、クラウド型は機能をどんどん追加できるので、『売って終わり、設置して終わり』ではなく、拡張性が求められるのではないでしょうか」とセーフィーの社長、佐渡島隆平さんは言う。
ところで、セーフィーはなぜこのビジネスを始めたのか。佐渡島さんは自宅を建てたときに、防犯カメラの設置を考えたが、初期費用の高さに驚く。「スマートフォンのカメラは1000万画素を超えているのに、警備会社からは30万画素のアナログカメラ2台で70万円の見積もりが出てきまして、びっくりしました。そのころの私は画像処理の仕事をしていたので、クラウドでカメラを直結させることができるのではないかと考えました。後ろに座っていた創業メンバーに『つくれるかな?』と相談したら、『楽勝です』との答え。『じゃあ、やってみよう』となって、プロトタイプをつくりました」(佐渡島さん)
ということは、佐渡島さんが家を建てなければ、このビジネスは生まれていなかったかもしれない。ビジネスのネタは身近なところにころがっている。
■学びのポイント
- 高性能と低価格で、これまで防犯カメラを設置することができなかった層にリーチ
- 「監視する、防犯に役立てる」といった本来の目的だけでなく、さまざまな使い方が広がっている
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