置くだけの防犯カメラが、どんどん増えているワケ:万引き件数も減少(2/3 ページ)
置くだけの防犯カメラが増えているのをご存じだろうか。大手アパレル専門店やファストフード、ゼネコンなどさまざまな業界で導入が進んでいる。なぜ置くだけの防犯カメラが注目を浴びているのか。その理由は……。
セーフィーの防犯カメラが注目されている
このほかにもさまざまな機能が搭載されているので、「どうせ価格が高いんでしょ。ウチには置けないよ」と思われたかもしれないが、小型タイプのモノであれば2万円ほどで購入できるのだ。あとは映像の保存期間に応じて追加料金が発生するだけ。
クラウド型の防犯カメラはセーフィーとエルモ社で共同で開発。2015年5月に発売したところ、個人経営の飲食店やショップだけでなく、大手企業からも「導入したい」という声があった。「高性能+低価格」であることがウケ、サービス提供開始から約2年で、5000台以上設置されているのだ。
セーフィーの防犯カメラは、なぜここまで注目されているのか。実際に利用している会社に聞いたところ、「監視する、防犯に役立てる」といった本来の目的以外に、さまざまな用途で使われていることが明らかに。「これができるんだったら、こうした使い方でもできるよね」といった声が多く、実際さまざまな使われ方をしている。
大手アパレル専門店は、シーズンによってレイアウトを変更している。夏はTシャツを置くスペースを広げているが、秋になるとそのスペースを縮小して、代わりにニットなどを並べるといった感じで。ただ、レイアウトを変更すると、新たな死角が発生する。店員の目が行き届かないところで、万引きをするケースが後を絶たなかった。そこで同店は、セルフィーの防犯カメラに着目。手軽に着脱できるので、「このレイアウトのときにはここに置けば死角がなくなるよね」といった具合に、最適なところに防犯カメラを設置したところ、万引き件数が大幅に減少したという。
某ゼネコンでは防犯カメラを人材採用に活用している。以前、このゼネコンは現場の映像を撮影して、それをドラマ風に仕上げていた。「現場はやりがいがあります!」といったセリフを流して、それを見た人は「自分でもできる。やってみたい」などと感じて入社していた。
しかし、人の手を加えた映像と現場は違う。高いところで作業することもあるし、雨が降っているときでも急ピッチで手を動かさなければいけないことがある。実際に働いたものの、映像のイメージと現場の違いにショックを受けて、退職する人が絶えなかった。そこで、防犯カメラに着目。当初は安全確認などの目的で設置していたが、面接時に現場の生の様子を見てもらうことに。結果、ミスマッチが減少し、離職率の低下に役立てているようだ。
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