マスコミが立憲民主党を「躍進」と報じる病:スピン経済の歩き方(3/6 ページ)
「立憲民主党、躍進」という報道を受けて、モヤモヤしている人も多いのでは。民進党の「チームリベラル」という方々が当選しただけなのに、なぜ「躍進」という言葉が使われるのか。その理由は、マスコミに問題があって……。
「嘘も方便」というジャーナリズム文化
なんてことを聞くと、なぜマスコミはそんな世論誘導までして、立憲民主党を応援するのかと疑問に思うことだろう。それはやはり自民党は日本を滅亡に導こうとする悪の組織だからさ、という声が聞こえてきそうだが、筆者の考えはちょっと違う。
マスコミが盛った報道で、立憲民主党を強く育てているのは、それが世の中のためになると本気で信じているからだ。
はあ? そんなわけないじゃないかと、思うかもしれないが、「安倍一強」という言葉がこれでもかというくらいリピートされていることからも分かるように、日本のマスコミは「戦前レジーム」の後遺症で、どこかひとつの政治勢力が頭ひとつ飛び抜けることに、極度のアレルギー反応がある。
これは独裁者が生まれないという素晴らしいメリットがある半面、船頭が多すぎて改革が遅々として進まない「ムラ社会」を生み出すというデメリットもあるのだが、もうひとつ深刻な「病」を生み出してしまっている。それは、一言で言ってしまうと、「嘘も方便」というジャーナリズム文化だ。
この国のジャーナリズムは、ひとつの政治勢力が頭ひとつ飛び出るのを防ぐことがすべてにおいて優先される「正義」とされているので、それを遂行するためには、ちょっとくらいの嘘、ちょっとくらい盛った話、そしてちょっとくらい偏った話をしてもおとがめなし、というあまり褒められない慣習がまん延している。
それを象徴するのが、マスコミのなかでも正義に対して人一倍こだわりが強い『朝日新聞』だ。
覚えている方も多いかもしれないが、今回の選挙の前、この新聞の社説は熱っぽくこんなことを訴えていた。
『だからこそ、確認したい。この衆院選の最大の争点は、約5年の「安倍1強政治」への審判である。そして、それをさらに4年続けるかどうかだと』(10月11日)
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