企業公式アカウントの外注はアリかナシか 思わぬ“誤爆”が呼んだ議論:「広報担当8年目」は“設定”
ミスタードーナツの公式Twitterアカウントが“誤爆”。運用の外注先のミスだったことが分かったが、企業アカウントの外注はアリ? という議論も起きた。
ダスキンが運営するドーナツチェーン「ミスタードーナツ」の公式Twitterアカウントが10月28日、突如として競馬に関するツイートを投稿し、フォロワーを驚かせた。アカウントの乗っ取りが懸念されていたが、実際はミスだったとして、30日に謝罪した。
これだけならそう珍しくない“誤爆”だが、このミスが「投稿業務を委託している外部企業」によるものだった──と明らかにしたことで、ちょっとした話題になった。企業の公式アカウントは自社のスタッフが投稿するものではないのか──という議論だ。
投稿内容で人気になった企業公式アカウントは多いが、軽妙なツイートがもし外注だったら興ざめかもしれない。事実、ミスタードーナツの“告白”を受けて、Twitter上では「外注ならフォローを外す」といった声も上がった。詳細はTogetterにまとめられている。
「広報担当8年目、32歳独身」は設定
当事者はどう考えているのか。ミスタードーナツを運営するダスキンに聞いた。
今回の誤爆騒動について、ダスキンの広報担当者は「大変申し訳なく思っている」と話す。外注先企業(非公開)の担当者が「趣味に関するツイートを誤って投稿したため」に起きたミスだと説明する。
ただ、全てを外注しているわけではなく、「原稿は当社が作成している。文面の入力と投稿のみを外部に委託している」という。だが、騒動を受けてTwitterアカウント運用体制の見直しを検討しているという。自社運用への切り替えや外注先の変更など、具体的な内容は答えられないとしている。
公式Twitterアカウントのプロフィール欄を見ると、「広報担当8年目、32歳独身のナツ美がミスド情報をつぶやきます」とある。あたかも社員が担当しているようだが、「これは完全な設定であり、こうした広報担当者は実在しない」のだという。
同社の公式Twitter利用規約には、「(アカウントは)いわゆる『成り済まし』ではなく、弊社の社員が運営に携わっている事を当社グループとして保証する」と書かれている。この表現については「記載の変更を検討している。他社に一部を外注していることを追記する可能性はある」と話している。
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