メガネスーパー、「目のケア」に特化した新型店オープン 星崎社長が背景を語る:最新の検査機器とリラクゼーション室を設置(1/2 ページ)
メガネスーパーが、高田馬場本店を11月23日にリニューアルオープンする。目を細かく検査できる最新機器を多数導入したほか、スタッフが施術するリラクゼーションルームなどを充実させた。リニューアルの背景を星崎尚彦社長に聞いた。
メガネスーパーは、同社が推進する「アイケア戦略」の拡大に向けた旗艦店舗として、都内の高田馬場本店(新宿区)を11月23日にリニューアルオープンする。顧客の目の健康状態を細かく検査できる最新機器を多数導入したほか、スタッフが目の疲れを取る施術を行うリラクゼーションルームなどを充実させた。
メガネスーパーの星崎尚彦社長(崎はたちさき)は「本当に顧客の体質に合った眼鏡を作るためには、10〜15分の簡易な検査では不十分だ。新型店舗では徹底したコンサルティングを行い、世界一のアイケアサービスの提供を目指したい」と意気込む。
質の高い検査を提供
アイケア戦略は「顧客の目の健康寿命を延ばす」がコンセプトの高付加価値サービス。詳細な視力検査と上質な製品を提供し、インターメスティックが運営する「Zoff」やジンズの「JINS」など格安眼鏡チェーンとの差別化を図る狙いがある。
新たに導入した検査機器で測定できるのは、明所・暗所での視力の変化、目の乾き具合の変化、目の老化度――など約40項目。色覚に障害がある人や弱視の人の目を検査する機器なども新たに設けた。
リラクゼーションルームを3部屋設置
星崎社長肝いりの設備が、店舗内に3部屋設けたリラクゼーションルームだ。室内には柔道整復師による研修を受けたスタッフが常駐し、目を酷使した際に疲れやすい首、肩、後頭部、頭皮――などを重点的に施術する。料金は10分当たり1000円(税別)。
店内にはこのほか、スタッフが眼鏡の調整、洗浄、加工を行うガラス張りのブース「メガネ工房」を設置。顧客がスタッフの作業内容を確認しやすい環境を整えた。ラインアップも充実させ、「Ray-Ban」「Gucchi」など40種類以上のブランドをそろえた。目の健康に良いとするオリジナルのサプリメントも販売していく。
今後の高田馬場本店のターゲットは、老眼を発症しやすく目のケアへのニーズが高い、40〜60代の“ミドルシニア世代”。リニューアル前の店舗別年間売上高は約2億円だったが、転換によって約2億5000万円への増加を目指す。
なぜ高田馬場本店を選んだのか
メガネスーパーの店舗別年間売上高は、「新宿中央東口店」(東京都新宿区)が約6〜8億円で最多だが、高田馬場本店をリニューアル対象に選んだ理由は「40年近くの歴史があって多くの顧客が定着しており、効果検証がしやすいと考えたため」(営業統括部の石井博マネジャー)という。
今後は高田馬場本店の状況を踏まえつつ、全国の370店舗の約2割を同様の新型店舗に転換する計画だ。2つ目の新型店舗のオープンは18年1月以降を予定している。また、転換を予定しない全店舗にもリラクゼーションルームを設ける予定で、まずは18年4月までに150店舗への設置を目指すとしている。
関連記事
- メガネスーパー、不振脱却への道は「IoT」と「M&A」
メガネスーパーが、2017年4月期の連結決算を発表。減益だったが、最終黒字に踏みとどまった。今後は「アイケア戦略」のほか、他の眼鏡店の買収・合併と、ウェアラブルデバイス「b.g.」の販売に注力していくという。 - 不振続くメガネスーパーの挑戦
業績が落ち込むメガネスーパーが、立て直しに向けてさまざまな取り組みを開始する。「アイケアカンパニー」として目のサプリメントなどを販売するほか、ウェアラブルデバイスの開発も進める。 - ツインバード工業社長、V字回復までの“苦悩”を語る
ヒット商品を多数生み出し、業績を伸ばしているツインバード工業。しかし、2000年代初期には5期連続赤字の苦境に陥り、会社は倒産寸前だったという。その時、リーダーはどう振る舞ったのか。同社の野水重明社長に聞いた。 - 「成功しない」を覆す ネット世界を走る開拓者の信念
インターネットの世界で数々のプロジェクトを手掛けてきた、Supership社長の森岡康一さん。Facebook在籍時に日本のユーザー数を増やした経験や、現在取り組んでいるVR事業などは、「成功しない」という既成概念に対する挑戦だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.