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JAL、宇宙旅行の実現目指す ベンチャーに出資:輸送のノウハウ伝授
JALが、宇宙ベンチャーのispaceと資本・業務提携したと発表した。探査機の運行・整備のノウハウを提供する。共同での宇宙旅行ビジネスも視野に入れている。
日本航空(JAL)は12月13日、宇宙ベンチャーのispace(東京都港区)と資本・業務提携したと発表した。JALは約3億円を投じて約1%を出資し、ispaceの宇宙開発事業をサポートする。将来的には、共同での宇宙旅行ビジネスも視野に入れているという。
ispaceは2010年創業。月に埋蔵されている水資源の探査・採掘を目指し、ロボットの開発や技術検証などを進めており、2020年末に独自の月着陸船による探査計画を発表した。
米Googleがスポンサードする月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」の参加チーム「HAKUTO」もispaceが運営。JALは同チームとも15年から提携し、トラブル発生時の対応策などを伝えてきた。
JALは今後、ispaceの月面探査事業に協力し、探査機の運行と整備、貨物輸送などのノウハウを提供していく。事業の進捗(しんちょく)を踏まえ、月面での生活が実用段階に達した場合は、一般向けの月面旅行サービスを始める計画だ。
JALは「『月面に生活圏を築きたい』というispaceのビジョンに共感して提携を決めた。宇宙旅行をすぐに実現するのは難しいが、航空会社ならではのノウハウを提供し、一歩ずつ取り組みを進めていきたい」(広報担当者)とコメントしている。
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