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JALが「航空整備士」の働き方を変えた意味「アプリ」でフライトを高品質に(1/4 ページ)

日本航空が、iOSアプリを活用した航空整備士の働き方改革を開始した。航空機関連のさまざまな情報をモバイル上で閲覧可能にすることで、整備業務を効率化しているという。アプリの導入の背景や効果を、アプリ開発を担ったJALエンジニアリングの中島逸雄氏に聞いた。

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 日本航空(JAL)が、iOSアプリを活用した航空整備士の働き方改革を2017年4月から始めている。航空機関連のさまざまな情報をモバイル上で閲覧可能にすることで、整備業務を効率化するとともに、整備の質を高めてフライトの高品質化につなげる狙いがある。

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JALの航空機整備場

 活用しているのは、15年春〜16年末にかけて日本アイ・ビー・エム(IBM)と共同開発したiPhone用アプリ「Inspect & Turn(インスペクト アンド ターン)」と、iPad用アプリ「Assign Tech(アサイン テック)」の2種類。

 Inspect & Turnは航空機が着陸後、次に出発するまでの間に機体を点検・整備するライン整備士向けアプリ。業務に必要なフライト情報・燃料情報・整備履歴などを端末上で閲覧できる機能や、フライトスケジュールや発着ゲートなどが変更になった際にプッシュ通知を送信する機能、整備の終了をスワイプで指揮室に伝える機能などを持つ。

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Inspect & Turnの画面イメージ

 Assign Techは、「ジョブコントローラー」と呼ぶ整備作業の調整担当者向けアプリ。ライン整備士のスケジュールや保有する資格を基に、航空機の整備担当者を指定(アサイン)できる機能を持つ。整備士がアサインされた際や、担当する航空機が変更になった際、担当者が変わった際などはiPhoneにプッシュ通知が送信されるため、効率の良い情報のやりとりが可能という。

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Assign Techの画面イメージ

 多数のライン整備士が在籍している拠点向けという性格上、Assign Techの導入は一部の空港にとどまっているものの、整備士向けのInspect & Turnは現在、JALの国内外の全拠点(約70カ所)に導入され、約2500人のライン整備士が使用している。

 こうしたアプリの導入によって、JALの航空整備士の働き方はどのように変わったのだろうか。アプリ開発プロジェクトの一員で、JALエンジニアリング(JAL EC)IT企画部 ビジネストランジションチームの中島逸雄サブリーダーに話を聞いた。

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