マツダCX-8 乗ってみて感じたプラスαの価値:受注は好調(1/2 ページ)
マツダの新型SUV「CX-8」の受注が好調。3列シートSUVの狙いと価値とは何か。試乗して体感した。
生涯、マツダ車に乗ってほしい――。そんな願いを込めたクルマが、12月14日に発売された新型スポーツタイプ多目的車(SUV)「CX-8」だ。発売前の受注台数は約7400台と、月販目標の1200台を大きく上回るスタートを切った。
CX-8の最大の特徴は3列シートを備えていること。それが「選ばれ続けるブランド」を目指す上で重要な要素になるという。好調な受注を受けて、国内営業本部ブランド推進部の高場武一郎氏にその狙いと市場の反応について聞いた。そして、実際に試乗してその価値を探った。
ファミリー層の流出を防ぐ
選ばれ続けるためには、買い替えの時にまたマツダを選んでもらわなければならない。現状では、再びマツダ車を購入する割合は5割強。未就学児や小学生〜高校生の子どもがいるファミリー層は流出率が突出して高く、課題となっていた。
どこに流出するかというと、他社のミニバンだ。車内が広く、多くの人数が乗車できることから、子育て世代の一般的なクルマになっている。
この世代に選んでもらうためのカギとなるのが3列シートだ。3列シートのSUVは、トヨタ自動車「ランドクルーザー」や日産自動車「エクストレイル」などがあるが、市場は大きくない。SUV人気の高まりによって、その市場を開拓できると判断した。
一方で、マツダにはミニバンの既存車種「プレマシー」「ビアンテ」「MPV」もあるが、全ての生産を終了することを表明している。
「ミニバン市場は箱型で背が高い、機能性や利便性を重視した車種が中心的な存在になり、マツダの強みが発揮できない市場になってきた。国内中心のミニバン市場が今後、さらに拡大していくとは考えにくい。将来を考えると、共感していただけるお客さまと一緒に進んでいくことを優先したい」(高場氏)
CX-8に対する市場の反応も良好なようだ。3列SUVは国内で最も売れている車種で月1000台程度だという。予約開始から3カ月あったとはいえ、事前受注が約7400台というのは「非常に好調。新規の車種としてはすごいペース」と、高場氏も手応えを感じている。
下取りの状況を見ると、MPVやSUV「CX-5」からの乗り換えが多い。さらに、他社の大型ミニバンからの乗り換えも目立つ。想定していたターゲット層の中心は40代だが、20〜30代の若いファミリーが想定以上に多いという。高場氏は「子どもが生まれるとミニバンを買う、というのが当たり前だったが、『必ずしもミニバンでなくてもいいのでは』と冷静に考えるお客さまも増えているのではないか」と見る。
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