うつ病など「心の病」が最も多い世代は?(対象はビジネスパーソン)――日本生産性本部の調査によると、40代(35.8%)が最も多かった。前回(2014年)と比較して3.4ポイント上昇した。
2006〜2010年までは30代が50〜60%台と高水準で推移。12年からは減少傾向にあり、40代とほぼ同じ水準で推移している。
「30代は、仕事ができるようになり、働き盛りといわれる年代だが、管理職にはまだなれず責任と権限がアンバランスになっていることがストレスになっている。同様の問題が40代にも広がっている」(日本生産性本部)と分析している。
直近3年間で上昇率が最も高かったのは、10〜20代。14年までは10%台で推移していたが、17年は27.9%となった。
日本生産性本部は「若手に対しても求める仕事の質が高くなり、業務量も増えていることが要因」と説明。
「生産性の向上が求められている中、教育に時間をかける余裕がなくなっている。即戦力化が求められており、精神的負担を感じる10〜20代が増えているのではないか」(日本生産本部)
また近年、過労自殺や長時間労働に関する問題意識が社会的に高まっていることから、若手が“声を上げやすい環境”になったことも、上昇の要因と分析している。
「これまでは精神的にツラい状況にあったとしても、『問題は自身にある』と考えるケースが多く、声を上げる(自身の精神状態を報告する)若手は少なかった。しかし、長時間労働などが社会問題化したことによって、組織の運営のあり方を疑問視する人も増えてきた」(同)
15年から「ストレスチェック」が義務化(従業員50人以上の企業が対象)されたことも認知が増えた要因の1つだ。一方、分析結果の生かし方や、高ストレス者へのフォローに課題を抱えている企業が多いという。
「調査を実施するだけで終わってしまう企業が多い。改善していくためには、それぞれの企業が職場単位で対策を考えていく必要がある」(同)
今年7月〜9月にアンケート調査を行い、上場企業221社が回答した。
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