「横綱、白鵬」を野放しにしてきた責任は誰にあるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
元横綱・日馬富士の傷害事件に関連して、横綱・白鵬に対するバッシングが止まらない。「大横綱」として持ち上げられていたときにも、白鵬の言動や品格について横審から異論が出たことはあったはず。それなのになぜ野放しにしてきたのか。
白鵬を野放しにしてきた責任
しかしながら時すでに遅しの感は否めない。ここまで白鵬を野放しにしてきた責任は誰にあるのか。今まで「大横綱」として持ち上げられていた最中でも、白鵬には言動や品格について横審から異論が出たことは何度かあったはず。そのタイミングで白鵬を厳しく指導し、正しい道へと導くことは師匠の宮城野親方も含めた協会の責務であったと考える。
確かに白鵬自身に最も問題があるのは言うまでもない。いくら「大横綱」であろうが何だろうが、今の白鵬は明らかに調子に乗り過ぎて暴走している。「もはや制御不能」という見方も出ているが、あながち大げさではない。ただし、かつての白鵬には横綱としての品格を追求し、相撲道にまい進する時期があったのも事実だ。白鵬が悪の道へと曲がってしまう分岐点を見過ごし、正しい方向へと引き戻せなかった協会執行部側の管理体制も相当に甘いと見られても仕方がない。
今回の問題で八角理事長は残りの任期3カ月の報酬を全額返上するとした。しかしこの発表を聞いて、どうしても「潔い」と思えないのは筆者だけでなく大多数の人が同じであろう。
一方で愛弟子が暴行を受けながら協会への報告を怠ったとして執行部と対立を深めている貴乃花親方への処分の判断は先送りにされた。余りに意固地になり過ぎている貴乃花親方の姿勢にも疑問が拭えないが、世間的に見て善悪の構図は明確に分かれつつある。相も変わらずに封建的体質から脱却できず閉塞感で充満していることがより鮮明となった協会(=悪)に貴乃花親方(=善)はたった1人で戦いを挑み、何とか風穴を開けようとしている――という図式だ。たとえ年内中に貴乃花親方への聴取が終わり、本人に処分が下されても両者のバトルはまず一件落着とはいきそうにない。
関連記事
- なぜ日本のおじさんは、貴乃花親方にイラついてしまうのか
貴乃花親方が「おじさん」から叩かれている。「理事のくせに協会に協力しないのは組織人失格」「改革したいからって、飲み屋のケンカを大騒ぎしすぎだ」といった主張を聞いていると、筆者の窪田氏は「何かに似ているな」と感じたという。それが何かというと……。 - 松坂大輔に忍び寄る「無職」という肩書き
松坂大輔投手が福岡ソフトバンクホークスを退団した。本人は現役を続ける意向のようだが、いまのところ彼にラブコールを送る球団はない。このままではかつての怪物が「無職」になってしまうかもしれない。 - 「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当か
女優・石原さとみさんの眉がどんどん細くなっている。彼女のファンからは「そんなのどーでもいいことでしょ」といった声が飛んできそうだが、筆者の窪田さんは「日本経済にとって深刻な事態」という。なぜなら……。 - なぜ地図で「浅草寺」を真ん中にしてはいけないのか
地図を作成している編集者に、2枚の地図を見せてもらった。1枚は浅草寺が真ん中に位置していて、もう1枚は浅草寺が北のほうにある。さて、実際に地図に掲載されているのは、どちらなのか。答えを聞いたところ、予想外の結果に!? - 貴乃花の1人クーデターによって、“パンドラの箱”は開くのか
大相撲の横綱日馬富士が引退届を提出した。貴ノ岩に対する暴行問題の責任を取る形で引退を表明したわけだが、貴ノ岩の師匠である貴乃花の行動は吉と出るのかそれとも……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.