一般道路での自動車後部座席のシートベルト着用率は36.4%と低く、約3人に2人が着用していない――日本自動車連盟(JAF)の調査でこうした結果が出た。前年からの増加幅も0.4ポイントと低く、JAFは「2008年に後席でのシートベルト着用が義務化されてから9年が経過したものの、着用率が上がらない現実が明らかになった」としている。
一方、高速道路での後席のシートベルト着用率は74.4%(前年比2.6ポイント増)で過去最高となった。ただ、JAFは「約4人に1人が非着用で、いまだに着用率が低いのが現状」と警鐘を鳴らす。
後席でシートベルトをしないリスクとして、衝突事故などの際に(1)本人が致命傷を負う、(2)車内の同乗者にぶつかって致命傷を負わせる、(3)サイドドアの窓から本人が車外に放出される――などを挙げ、「自他含めた安全確保のためにも、全席でのシートベルト着用が必要だ」と呼び掛けている。
運転席での着用率は、一般道路が98.6%、高速道路が99.5%。助手席は、一般道路が95.2%、高速道路が98.3%といずれも高かった。
着用率向上に向け、国交省は20年9月1日以降に発売される全乗用車に、後席を含む各座席でシートベルトを着用せずに走行すると警報音が鳴る装置「シートベルトリマインダー」の設置を義務付ける方針。
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クルマの事故原因として本当にそれで片付けてしまって良いのだろうかというニュース報道が溢れている。事故の原因を責任問題として処理するのではなく、科学的な原因究明に早く進めるべきではないだろうか。
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