「ラストワンマイル」を自動運転で 人手補うクルマたち:技術活用の幅広がる(1/2 ページ)
1月17日に東京ビッグサイトで開幕した「第1回自動運転EXPO」では、短い距離を低速で自動走行する車両が提案されていた。店舗などから個人宅までの「ラストワンマイル」を自動運転で担う需要を狙う。
自動運転のクルマで快適に移動する、という生活が実現するのはまだ先になりそうだが、その技術を活用できる分野は乗用車だけではない。1月17日に東京ビッグサイトで開幕した「第1回自動運転EXPO」では、短い距離を低速で自動走行する車両が提案されていた。物流などの分野で、店舗から個人宅までの「ラストワンマイル」を自動運転で担う需要が生まれていきそうだ。
「ちょっとした距離」のニーズを狙う
ハンドルやアクセルがない、シンプルな丸っこいクルマ。アイサンテクノロジー、岡谷鋼機、ティアフォーの3社が出展した、ワンマイルモビリティー「Milee(マイリー)」だ。
ワンマイルモビリティーとは、限定地域での低速自動走行技術を活用した「次世代端末交通システム」のこと。マイリーは、電動ゴルフカートから作られており、最高速度は時速15キロほど。運転席がない完全自動運転車となる。ルーフの上にあるセンサーで周囲の状況を認識する。
想定される利用シーンは、広い敷地内の移動や、駅から自宅までの移動など、「ちょっとした距離」の移動。年内には公道で実証実験を始める計画だ。
自動運転の活用の幅広げる
マイリーに加えて、人だけでなく、荷物や自動販売機などを載せられる自動走行車両「Logiee(ロージー)」も提案。手荷物を運んだり、過疎地域などで自販機を巡回させたりと、幅広い用途への活用を想定している。
自動運転向けの3次元地図を開発するアイサンテクノロジーは、乗用車の自動運転の公道実験を主導し、注目を浴びている。ワンマイルモビリティーなどの取り組みによって、乗用車以外にも自動運転技術の応用を提案する。担当者は「自動運転技術をきっかけに、いろいろなビジネスを提案できたら。限定地域、低速走行なら、自動運転技術を活用できる幅が広がる」と話している。
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