日立の家電、“省エネ”前面アピールやめた理由:もはや「当然」(2/2 ページ)
日立アプライアンスが、新コンセプトに基づいた家電を発表。うち2製品はコネクテッド家電で、スマホアプリで操作できる。多様化する顧客ニーズの変化に対応する狙い。
火加減を自動で調節、料理が苦手でも安心
「火加減マイスター」は、3台のIH調理器と1台のオーブンで構成される。対応アプリには300種類のレシピが収録されており、好きなレシピを選択すると火加減・調理時間を自動で調整できる点が特徴。
調理の進行状況はリアルタイムで通知されるため、並行して他の家事をすることも可能という。
ターゲットは、独力での難易度の高い調理が苦手なシニア層。トッププレート幅が75センチのモデルと、60センチのモデルをラインアップしており、キッチンのサイズに合わせて選択できる。実売予想価格は、前者が46万2000円、後者が44万2000円。
2月1日から受注生産を始めており、販売目標は非公開。
冷蔵室が冷凍庫に“変身”する冷蔵庫も
同日発表した冷蔵庫「真空チルド」はネット接続機能を持たないが、内部の潤いを保ち、鮮度が長持ちする機能「冷蔵室独立冷却システム」を搭載。まとめて作り置きした料理・総菜の風味を1週間程度キープできるという。
子連れの家族などをターゲットに想定。内容積が602リットルのモデルと520リットルのモデルをそろえる。実売予想価格は、前者が37万円、後者が32万円。2月下旬発売予定で、2機種合計で月間8000台の販売を目指す。
徳永社長は「『真空チルド』はコネクテッド技術に対応しなかったが、今後はネットにつながり、用途に応じて冷蔵室が冷凍庫に変身する冷蔵庫なども世に出したい」と展望を話す。
「ソフトをアップデートするだけで、やんちゃ盛りの子どもの泥だらけの洋服をきれいにするモードを搭載する洗濯機もいいだろう。当社はこれからコネクテッド路線を基本とし、さまざまな分野で顧客の課題を解決する“進化する家電”を展開していく」
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