スポーツ中継の“黒船”DAZNが日本市場を制覇するのか:「プロ野球」も手中に(2/2 ページ)
DAZNが、2018年シーズンからプロ野球のコンテンツ配信を本格化すると発表。11球団のオープン戦の一部と公式戦全試合をライブ配信する。残る読売ジャイアンツとも交渉中という。
海外サッカー中継もさらに充実
国内市場での地位をさらに強固にするため、海外スポーツ番組も拡充する。欧州サッカーでは、従来は毎節最大5試合としていた「プレミアリーグ」(イングランド)と「リーガ・エスパニョーラ」(スペイン)の配信を2月10日から全試合に拡大している。
「UEFAチャンピオンズリーグ」「UEFAヨーロッパリーグ」「UEFAスーパーカップ」のライブ中継を行うことも決定済みだ。(関連記事)
DAZNは今夏開催される「FIFAワールドカップ」の放映権は持たないが、ラシュトンCEOは「代表選手が所属するクラブの試合を網羅しているため、当社のコンテンツに注目が集まるチャンスだと捉えている」と強気な姿勢を崩さない。
CMで自ら「黒船」アピール
一連の施策をアピールするため、DAZNは現役スポーツ選手を「DAZNアンバサダー」に起用し、知名度を生かしたPRも行っていく。
2月19日からは、サッカーの内田篤人選手、三浦知良選手らが「幕末の志士」に、サッカー解説者のセルジオ越後氏が「ペリー提督」に扮(ふん)したCMなどを放映。“黒船”との呼び名を自らアピールする。
大崎バイスプレジデントは「CMでは、当社の強みを正面から打ち出すことを心掛けた。今後も、視聴者に対するバリューをシンプルに伝えていきたい」と意気込む。
プロ野球選手もアンバサダーに
19日から放映する新CMには出演しないが、プロ野球選手からは西川遥輝選手(北海道日本ハムファイターズ)、山粼康晃選手(横浜DeNAベイスターズ)がDAZNアンバサダーに就任。プロ野球配信の開始をファンにアピールしていく。
会見では、ゲストとして元プロ野球選手の多村仁志氏と小宮山悟氏が登壇し、「アンバサダーの2人は球界きっての“イケメン”。頑張って魅力を届けてほしい」(多村氏)、「自分の現役時代は仏頂面がトレードマーク。当時からDAZNがあったとしても、CMのオファーは届かなかっただろう」(小宮山氏)などとコメントし、会場を沸かせた。
こうした有名選手・OBとのコネクションの強さもDAZNならではだ。DAZNはこの勢いのまま、日本市場で独走態勢を続けていくのだろうか。
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