イケアはアマゾンに勝つことができるのか:来週話題になるハナシ(5/5 ページ)
世界最大の家具ブランド「IKEA(イケア)」が岐路に立たされている。業績は伸ばし続けているが、時代の波に飲み込まれそうになっているのだ。どういうことかというと……。
ネット通販でどのようなアイデアが出てくるのか
とはいえ、イケアの場合、売り上げのほとんどは実店舗で成り立っているのが現状だ。オンラインでの売り上げは伸びているものの、売上高の約90%を実店舗が占めている。
その理由は、イケアの店舗を訪れてみると分かる。店内は「スウェーデン」らしさをこれでもかとアピールして、外国にいるような世界観を醸し出している。さらに、曲がりくねった巨大モデルルームは、テーマパークのようなエンターテインメント性も兼ね備えている。顧客はモノを買うだけではなく、イケアの世界観を楽しみに店舗を訪れているのである。
そして、イケアの店舗内のカフェテリアでは、お腹が空かないようにと朝食からディナーまで食事が楽しめたり、子どもも退屈しないようにプレイエリアが用意されていたり、買い物をするのに快適な環境が整っている。
こうした体験が利用者にササっているイケアが、ネット通販で世界を制するには、どこまで同じように気持ちよく「買い物」ができるかにかかっている。
イケアの実店舗が人々の家具の買い方に革命を起こしたように、今度はネット通販でどのようなアイデアを出してくるのか、非常に興味深い。
来週話題になるハナシ:
24時間365日、いまも世界のどこかでユニークで刺激的な話題や新しいトレンドが次々と生まれている。だが、大半は情報としてこぼれてしまっている。そんなメインストリームでない情報こそ、ビジネスで使えるネタが詰まっているのではないだろうか。
そこで、情報感度の高いビジネスパーソンならば、ぜひとも押さえておきたいトレンドや話題をちょっと先取りして紹介したい。プライベートにビジネスに、ちょっとしたインスピレーションのネタとして、役立つハナシを探るコラム。
関連記事
- なぜコストコはグーグルよりも魅力的な職場なのか
「大量に買いたいから」「安いから」といった理由で、コストコで買い物をしたことがある人も多いのでは。会員制、低価格、大量買いといったビジネスモデルで店舗数が増えているが、本場の米国では単なる激安店以外によく知られていることがある。それは……。 - 6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由
6畳弱の狭い物件が人気を集めていることをご存じだろうか。物件名は「QUQURI(ククリ)」。運営をしているピリタスの社長に、その理由を聞いたところ……。 - ドイツのスーパーが、かなりの勢いで世界中に広がっている秘密
ドイツのスーパー「ALDI(アルディ)」が、ものすごい勢いで成長している。英国や米国などでも店舗数を増やしていて、現在、世界18カ国で1万店以上を展開。日本では聞き慣れないこのスーパー……なぜ世界の人に支持されているのか。 - 日本の百貨店はまた同じ道をたどるのか?
インバウンド消費によって支えられている日本の百貨店だが、この恩恵が未来永劫続く保証はない。客離れという本質的な問題にメスを入れ、大変革を遂げるのは今しかないのではなかろうか。 - イトーヨーカ堂の反撃は始まっている
大手GMS(総合スーパー)が軒並み業績不振だ。ただし、各社の置かれた状況は一律ではなく、起死回生の一手となるカードを持つ企業がいるのだ。それはイトーヨーカ堂である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.