ニュース
小学館、「コロコロ」3月号を販売中止に 「書店の混乱避ける」:「別冊」での連載は継続
小学館が、「コロコロコミック」3月号の販売を中止すると発表。読み切り作品にチンギス・ハーンに対する不適切な描写があり、批判が殺到していた。小学館は「書店の混乱を避けるため」と説明している。
小学館は3月6日、月刊誌「コロコロコミック」3月号の販売を中止すると発表した。同誌を巡っては、読み切り作品「やりすぎ!!! イタズラくん」においてチンギス・ハーンに関する不適切な表現があったとして、モンゴル大使館が2月末に抗議。小学館が謝罪する事態となっていた。
小学館は今後、書店から同誌の返品を募る。返品を希望する読者に対しては、定価相当の返金も行う。返金方法などの詳細は未定で、決まり次第公式Webサイトで告知する。
当該作品では、チンギス・ハーンの頭部に性的な落書きをする描写があり、2月15日の発売当初から小学館に抗議が殺到。大相撲で活躍した元横綱・朝青龍関もTwitterで不快感をあらわにしていた。
事態を踏まえ、紀伊國屋書店、未来屋書店、くまざわ書店など大手書店チェーンは2月末から同誌の販売を中止していた。
書店の混乱避ける
小学館は当初は販売を継続する方針を示していたが「チンギス・ハーンを敬愛する方々を不快な気持ちにさせてしまったことから、書店の混乱を避けるために販売中止を決めた」(広報担当者、以下同)と説明する。
読み切り作品の作者・吉野あすみ氏は「別冊コロコロコミック」で同名作品の連載を行っているが、「現時点では、打ち切りの予定はない」としている。
小学館は「こうした事態を引き起こした原因は、当社の知見不足やチェック体制の不備だ」とし、「深くおわび申し上げます」と謝罪している。
関連記事
- モンゴル大使館抗議の「コロコロコミック」、大手書店チェーンにも余波
大手書店チェーン3社が「コロコロコミック」3月号の販売を中止。同誌掲載の「やりすぎ!!! イタズラくん」において、チンギス・ハーンに対する不適切な表現があったとして、モンゴル大使館が抗議していた。 - 岩波書店、別館ビルを小学館に売却
岩波書店が別館ビル「岩波書店一ツ橋別館」を小学館に売却した。 - 出版不況なのに、『コロコロコミック』が80万部も売れているヒミツ
出版不況と言われているのに、『コロコロコミック』が好調だ。なぜ子どもたちに支持されているのか。取材を進めていくと「うんこ・ちんちん原理主義」にたどり着いた。聞き慣れないこの言葉、どういう意味かというと……。 - 「紙の本」の売り上げ、13年連続で低下 電子書籍は好調も
2017年の出版市場はどのように推移したのか?――全国出版協会調べ。 - 電子コミックスの売り上げ、紙コミックスを初めて上回る
出版科学研究所がコミック市場の販売金額を発表。電子コミックス(単行本)の販売金額が紙のコミックスを初めて上回った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.