スシローグループが新業態に再挑戦 すし居酒屋「杉玉」:「回転すしとは一線を画したチャレンジ」(1/2 ページ)
スシローグループが新業態に再挑戦する。大衆すし居酒屋「杉玉」の旗艦店を東京・神楽坂にオープン。5年後には100店舗を目指して出店を進める。
回転すしの「スシロー」が好調なスシローグループが、新業態に再挑戦する。スシローグローバルホールディングスの子会社スシロークリエイティブダイニングは、大衆すし居酒屋「杉玉」の旗艦店を3月30日に東京・神楽坂にオープン。順次全国に広げていく構えだ。
新たにオープンする「鮨・酒・肴 杉玉 神楽坂」はテーブルとカウンター合わせて45席のすし居酒屋。「杉玉」とは日本酒の造り酒屋などが酒造りのシンボルとして軒先に吊り下げるもので、看板や店内の各所にあしらわれている。スシローグループの仕入れ力や商品開発力を生かしたすしや海鮮メニューと、業態名の通り力を入れた日本酒や焼酎などが特徴。
スシロークリエイティブダイニングの取締役で「杉玉」業態を担当する金井智秀さんは、「『杉玉』は回転すし業態とは一線を画した新たなチャレンジ。メニューの価格は299〜399円(税別)がメインで、客単価は回転すしよりも高い2000〜2500円。メニュー数は80〜100ほどで、居酒屋の中でも多い」と話す。
メニューはオーソドックスなすしの他に、「キャビア寿司」や「雲丹醤油で食べるシュウマイ」などの変わり種もある。狙いは「オリジナルのすしに興味をもって来店頻度を上げてもらいたい。また。『これってどういうメニュー?』と従業員とのコミュニケーションのきっかけにもしてほしい」(金井さん)。
新業態への再挑戦
実はスシローグループは、旗艦店の発表に先駆けて、既に2店舗の「杉玉」をスタートしている。「スシロー」の冠を出さずに2017年オープンした「西宮北口」店(兵庫県西宮市)と「神保町」店(東京都千代田区)だ。「スシローの力に頼らず、この業態がどう受け入れられ、どのように使われるのか確認したかった」(金井さん)ことを狙ったテスト的な店舗だったが、手応えは十分。神楽坂店のオープンで、「杉玉」業態を本格的に始動させる。
スシローグループは以前、高単価のすし屋やすし居酒屋「ツマミグイ」と「七海の幸」を展開していたが、16年に全店を閉店。金井さんは「ターゲットを女性に絞ったことや、高価格帯を追求したことが、多店舗展開への大きな課題になった」と振り返る。より広いターゲットを狙い、多店舗展開をしていける業態を考えて生まれたのが「杉玉」だ。西宮店と神保町店では、ビジネスパーソン、学生、ファミリーと幅広い利用者からの支持があるという。
今後は新規出店を進めていく。18年9月までに2〜3店舗を東京や関西に出店予定。まず直営店で10〜20店舗を作ったのちは、FC(フランチャイズ)店も検討する。5年後に100店舗を目指すとしている。
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