競争激化の回転すし市場、生き残るカギは「テスト期間中の女子高生」?:肉すし、丼、パフェなど続々(1/2 ページ)
回転すし市場では、各企業が肉すし、丼、パフェなどを相次いで投入している。背景には、背景には、米・魚などの原価や人件費の高騰があるようだ。今後はどのような商品が世に出てくるのだろうか。
回転すしチェーンで、“本業”から離れた商品の発表が続いている。魚介ではなく、牛肉・豚肉をネタに使用した“肉すし”のほか、ハンバーグなどの肉料理、牛丼などの「丼もの」を発売する企業が相次いでいる。パフェなどのデザートもバリエーション豊かになっている。その効果と背景は。
「肉」「スイーツ」がキーワード
最大手のスシローは、牛塩カルビや生ハム、ローストビーフ、豚の角煮といった“肉すし”を展開。昨年3月には、静岡県内の店舗限定で「エビ天丼」「マグロ天丼」などを提供している。
スイーツを強化する「スシローカフェ部」も展開。3月14日にはイチゴを14個使用した「苺すぎるパフェ」、不二家とコラボした「苺のミルキーロール」を発売した。
くら寿司も昨年末から、だしを多めに使用した「くら出汁」シリーズの「うな丼」「天丼」「牛丼」を提供。16日からは“王道”のハンバーグに加え、ラーメンとスパゲティの要素を取り入れた創作料理「カルボナーラ スパらッティ」、スイーツ「チョコとマスカルポーネのパフェ」を発売する。
テスト期間中の女子高校生が増えた
こうした取り組みは、どのような効果につながっているのか。
スシローを運営するあきんどスシローは「スイーツの提供後、テスト期間中などに女子高校生がスシローを利用するケースが増えている。スターバックスでお茶をする感覚で当店を利用しているようだ」(広報担当者)と話す。
「『スシローカフェ部』により、女子高生を含む幅広い客層の獲得を加速させたい」という。
くら寿司を運営するくらコーポレーションも「スイーツを始めた後、テスト期間中にくら寿司を訪れる女子高生が増えた」(広報担当者)と明かす。
「スイーツを食べながらテスト勉強をするニーズがあるようだ。従来はファミリーレストランやファストフード店に集まっていた習慣を変え、顧客取り込みにつなげられている」という。
「サイドメニューの提供も多様な客層の獲得につながっており、夜のディナータイムだけでなくアイドルタイム(午後2〜5時ごろ)の集客を強化できた。明確な数値は明かせないが、スイーツとサイドメニューの提供開始以降、既存のすしも含めた全体の売上高が上昇している」としている。
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