イオンリテール、レジでの現金引き出しサービス開始 当初は手数料無料:1000円〜3万円をATM感覚で
イオンリテールが、レジで店員にキャッシュカードを提示するとATM感覚で口座から金銭を引き出せるサービスを始める。「ATMに立ち寄るのが面倒」といった顧客ニーズに対応する狙い。当初は手数料を無料とする。
総合スーパーを展開するイオンリテールは3月29日、4月2日から本州の「イオン」「イオンスタイル」計43店舗で、レジで店員にキャッシュカードを提示するとATM感覚で口座から金銭を引き出せる「キャッシュアウトサービス」を始めると発表した。「地域にATMが少ない」「ATMに立ち寄るのが面倒」といった顧客ニーズに対応し、利便性を高める狙い。
取引1回当たりの引き出し可能金額は1000円〜3万円。サービスカウンターのレジで出金を受け付け、開始当初は引き出し手数料を無料とする。導入店舗はイオン七戸十和田駅前店(青森県上北郡)、イオン高槻店(大阪府高槻市)など2府12県で、東京都・神奈川県・千葉県などは対象外。
利用の流れは、(1)レジで店員に利用の旨を伝え、(2)端末にキャッシュカードを通して暗証番号を入力し、(3)現金と控えを受け取る――の3ステップのみ。店舗側が現金不足となった時点で、その日のサービスは終了となる。
同サービスを構築した日本電子決済推進機構によると、事前に行ったアンケートでは1万円以下の出金ニーズが多いことが判明しており、店舗側がレジに多額の現金を準備する必要性は薄いという。ATMを設置したいが、スペースや資金の問題で導入できない小売店に適したサービスだと説明している。
同機構が手掛ける、金融機関のキャッシュカードを提示すると口座から即時支払いができるサービス「J-Debit」も同時に始める予定。「ATMが少ない、郊外や過疎化・高齢化が進む地域にお住まいの方を支援する」としている。
イオンリテールは2020年2月末までに、両サービスを本州と四国の「イオン」「イオンスタイル」約400店舗に拡大する計画という。
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