北海道新幹線札幌駅「大東案」は本当に建設できるか:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/5 ページ)
もめにもめた北海道新幹線札幌駅問題は、JR北海道が土壇場で繰り出した「大東案」で関係者が合意した。決め手は「予算超過分はJR北海道が負担する」だった。これで決着した感があるけれども、建設業界筋からは「本当に作れるか」という疑問の声がある。
北海道放送: 乗り換え跨線橋の基礎が地下まで伸びると、(費用は)どれくらい増加となるのか。また、どれくらいなら増加しても負担できるのか。
JR北海道: 関連事業への影響を見ながらの検討になるが、経営判断の中で収まるものと考えている。
北海道新聞: 乗り換え跨線橋の設計は年度内に終わるのか。
JR北海道: 比較検討のためには、PCによる構造計算も必要であり、年度内は難しい。工事費についてはJRで負担する方針であり、道・市が判断できるようにはしていきたい。
北海道新聞: 動く歩道のようなものは検討していくのか。
JR北海道: 乗り換え跨線橋は10メートルおきに各ホームと接続する必要があり、動く歩道を設置してもぶつ切りになってしまうため、設置しない方針である。ホーム上に設置するには、線路側でなく壁側に設置することになるが、待合室や売店により、途切れ途切れとなるので、設置するかは今後検討していきたい。
北海道新聞: 跨線橋の長さと幅はどの程度か。
JR北海道: 長さは、在来線を跨ぐことになるので、おおむね70メートルと想定している。幅については、跨線橋の荷重をどのように受けるのか、当然広い方が望ましいが、工事費にも影響してくることなので、まずは、お客さまがご利用するために必要なスペースを確保することからスタートし、工事費等を勘案しながら、最終的な幅を決めていきたい。
建設新聞: 跨線橋はJRで工事を行うのか。
JR北海道: 在来線の線路上でもあり、JRで工事を行う。
NHK: 570億円と645億円の差額を負担するとのことだが、認可見直し案の570億円は固まったものか。
鉄道・運輸機構: みんなで合意しているものである。
JR北海道: 物価の大幅な上昇があれば協議させてほしいが、そうでなければ、差額は負担していく。
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