KDDIが「眼鏡」で社員の集中力測定 “働き方改革”にどう生かす?:「集中席」を快適に
KDDIが眼鏡型ウェアラブル端末「JINS MEME」などを活用し、社員の集中力を測定する実証実験を行う。異なる環境下での社員のパフォーマンスを調査し、結果を踏まえてオフィスを改善する狙い。勤務中のまばたきの回数や姿勢の変化、リラックス度、ストレス、行動記録――などを計測・分析する。
KDDIは4月9日〜6月末にかけて、眼鏡チェーン「JINS」を運営するジンズが開発した眼鏡型ウェアラブル端末「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」などを活用し、社員の集中力を測定する実証実験を行う。飯田橋オフィス(千代田区)20階に設けた、労働の質を高めるワークスペース「集中席」など異なる環境下での社員のパフォーマンスを調査し、結果を踏まえて同スペースの環境を改善する狙い。
集中席は、自席での電話対応・雑談・急なミーティングなどによって集中力がそがれることを防ぐための席。同オフィス20階のカフェテリア一角に設けられており、社員は「短時間で高い成果を出す」ことをテーマに利用しているという。
JINS MEMEは、電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサーを搭載。装着した人の視線移動などから集中力を計測する機能を持つ。スマートフォンアプリと連動し、取得したデータをアプリに表示できる。実験では同端末のほか、ホシデンが開発した脈拍などを測定できるバンド型端末「MEDiTAG(メディタグ)」も使用する。
管理部門の20人がデバイス着用
同実験では、総務部・人事部などに属する20人の社員が両デバイスを身に付け、集中席、自宅、自席、ジンズが手掛けるコワーキングスペース「Think Lab(シンクラボ)」――などで業務に当たる。
勤務中のまばたきの回数や姿勢の変化、リラックス度、ストレス、行動記録――などを計測・分析し、集中席と他の環境での社員の集中力の差を比較。集中席のメリットと課題を明確化し、より快適に働ける環境に変えていく。
KDDIは「座席や机の高さ、観葉植物の多さ、部屋の中の二酸化炭素濃度といった要因がどの程度集中力に影響を及ぼすかを突き止めたい」(広報部)と説明。「結果を基に空気清浄機の設置や座席の改築など細かな工夫を行い、集中席の快適性を高めたい」という。
同社は「成果が得られれば、飯田橋オフィス12階・29階のカフェテリアに集中席を増設し、社員の“働き方改革”につなげる予定」(同)としている。
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