小田急、沿線に特化した求人サイト開設 人材確保をサポート:鉄道会社で初
小田急電鉄は4月12日、小田急の沿線地域に特化した求人情報サイト「エンセンワーカー」を開設。鉄道会社が沿線の求人情報サイトを運営するのは初めて。
小田急電鉄は4月12日、小田急の沿線地域に特化した求人情報サイト「エンセンワーカー」を開設する。人手不足に悩む企業や店舗と、仕事を探す小田急利用者をつなぐ役割を担う。同社によると、鉄道会社が沿線の求人情報サイトを運営するのは初めて。
小田急利用者へ効果的にアプローチ
エンセンワーカーには、小田急沿線にある企業や店舗の求人情報を掲載。応募受付までサイト内で行う。小田急の駅を起点にした求人検索が主な機能で、GPSの位置情報を利用した検索もできる。
広報担当者は開設の狙いについて、「沿線の商業施設に入る店舗などをサポートすることで、鉄道を中心とした消費の拡大につなげる」と説明する。仕事を探す小田急利用者と、働き手を探す事業者をマッチングすることで、働きやすく、事業がしやすい沿線づくりを進める。
エンセンワーカーでは、小田急沿線が勤務場所となる求人が掲載対象となるが、駅からの距離など条件は設けていない。事業者が、小田急沿線の仕事を探す人に求人情報を届けたい場合に利用できる。
事業者の掲載料金は年間で4万円。「他の一般的な求人サイトよりも低く設定し、求人を出しやすくしている」(広報担当者)という。
サイトオープン後は、小田急の駅や車内でエンセンワーカーを告知することで、サイトの認知度を高めていく。事業者にとっては、小田急の利用者に対して効率的に情報を届けることができる。
初年度は200件の掲載を目指す。「小田急沿線は、求人に対して応募が多い地域。沿線で仕事を探す人に対して、効果的にアプローチしていただける媒体にしたい」(同)
エンセンワーカーと同時に、小田急グループの求人情報サイト「小田急ジョブサーチ」も開設する。オープン時点では、グループ99社中28社の求人情報を掲載。そのうち、小田急沿線の求人情報については、エンセンワーカーにも掲載する。
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