進化する「インフルエンサーマーケティング」最前線:メルカリとUUUMに学ぶ(2/2 ページ)
インフルエンサーマーケティングが注目を浴びている。早い段階から取り組んできたメルカリと、インフルエンサーをプロデュースするUUUMが見る“最前線”とは?
進化するYouTuber
一方で、インフルエンサーをプロデュースする側から見た“最前線”はどのようなものだろうか。それを教えてくれるのが、YouTuberのマネジメントプロダクションのUUUMだ。HIKAKINさんやはじめしゃちょーさんなどのトップYouTuberをはじめ、4300以上のYouTubeチャンネルのマネジメントとサポートを行っている。
「小学生男子の将来就きたい仕事ランキング」(2018年、アデコ調べ)によると、YouTuberなどの動画配信者は9位にランクイン。小中高生に対してだけではなく、子どもを持つ30代に対しても影響力が強くなってきている。10代にとってYouTuberは「人気がある」「ユーモアのある」「元気をもらえる」イメージ(UUUM調べ)で、TVタレントに勝るとも劣らない人気を博しているのだという。
YouTuberによるインフルエンサーマーケティングにはどのような効果があるのか。UUUMの市川義典執行役員は「YouTube動画では、認知・興味・理解・購買という一連のプロセス全てを網羅し、視聴者に疑似体験を提供できます。これをわれわれは『エクスペリエンスマーケティング』と呼んでいます」と説明する。
コスメであれば「実際に使ってみる」。調理器具ならば「実際に作ってみる」。おもちゃであれば「実際に遊んでみる」。そうした疑似体験を提供することで、購入までつなげることができるのがYouTuberの動画――というわけだ。
さらに市川さんは、YouTuberのタイアップ動画が変化していると話す。従来は単純な「体験してみた」などのシンプルな商品レビューが多かったが、最近は「工房見学」「オリジナルドラマ仕立て」など、ストーリー性をもったコンテンツが増えてきており、後者の方が動画視聴後の購入率が高くなっているという。
「インフルエンサーによるコンテンツは、性別や世代といった従来のターゲティングだけではなく、『釣りが好き』『コスメが好き』といったコミュニティーに対して訴求していく、『トライブマーケティング』ができる力があります。クリエイターやコミュニティーの特徴を生かし、視聴者が望んでいるものに合わせる必要があり、どんどんクリエイティブは多様化していくと思います」
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