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ドコモが「マンホール型基地局」開発 その狙いは:地下から電波発信
NTTドコモが「マンホール型基地局」を開発。景観保護の観点から従来型の基地局を設置できない環境での通信サービス提供を目指す。札幌市内で実証実験も始めており、積雪環境下でもサービスエリアを構築できるとの成果を得たという。
NTTドコモは4月11日、「マンホール型基地局」を開発したと発表した。地下にアンテナを設置し、樹脂製のマンホールでふたをした構造で、埋設した配管経由で光回線と電源に接続する仕組み。実用化した場合は、観光地など景観保護の観点から従来型の基地局を設置できない環境でも通信サービスを提供可能になるという。
マンホールは直径約65センチで、内部には70(幅)×70(高さ)×70(奥行き)センチのスペースが広がっている。アンテナは地下約10センチの位置に配置する。
2018年度中の実用化を目指し、3月6日から実証実験も始めた。実験では、高負荷環境下での実用性を確認するため、積雪がある札幌市内に「マンホール型基地局」を開設し、通信状況を調査した。
その結果、積雪環境下でも基地局の半径約90メートルにサービスエリアを構築できるとの結果が出たという。今後も引き続き、強い電波を安全に発信する方法を検証するとしている。
以降は18年夏に沖縄県南城市、同年冬に東京都渋谷区でも実験を行い、高温環境やトラフィック負荷の大きな環境での実用性を検証する。将来的には、5G(第5世代移動通信システム)への対応も視野に入れる。
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